成年後見制度の申立て手順とは?必要な書類と手続きの流れを解説
成年後見制度の申立ては、書類の種類が多く、家庭裁判所とのやりとりも発生するため、初めて手続きを進めるご家族にとって負担になりやすい手続きです。
このページでは、法定後見・任意後見の違いから、申立てに必要な書類の準備、家庭裁判所への提出と面接、審判後の流れまで、ステップごとに解説します。
この記事のポイント:成年後見制度には「法定後見」と「任意後見」の2種類があります。申立てには書類の準備・家庭裁判所への申立て・面接・審判という流れがあり、ケースによって数か月かかることが一般的です。手続きに不安がある場合は、専門家への相談も選択肢のひとつです。
成年後見制度とは――法定後見と任意後見の違い
成年後見制度は、判断能力が低下した方を法的にサポートするための制度です。
大きく「法定後見」と「任意後見」の2種類に分かれており、利用できる制度はご本人の状況によって異なります。
法定後見
すでに判断能力が不十分になった方が対象です。
家庭裁判所が後見人を選任し、後見の内容(財産管理・身上監護の範囲)も裁判所が決定します。
判断能力の程度に応じて、後見・保佐・補助の3類型があります。
任意後見
判断能力がまだ十分なうちに、将来に備えて後見人を自分で選んでおく制度です。
後見内容は契約で事前に定めるため、ご本人の意思を最大限に反映できます。
判断能力が低下した際に、任意後見監督人の選任申立てをすることで効力が生じます。
| 区分 | 対象 | 後見人の選任 |
|---|---|---|
| 法定後見 | すでに判断能力が不十分な方 | 家庭裁判所が選任 |
| 任意後見 | まだ判断能力がある方(事前準備) | ご本人が契約で指定 |
申立てに必要な書類の準備
申立てに必要な書類は、制度の種類やご家族の状況によって変わります。
一般的に準備が必要とされる書類は以下のとおりです(詳細は管轄の家庭裁判所でご確認ください)。
主な必要書類
- 申立書(家庭裁判所の書式)
- 被後見人の戸籍謄本・住民票
- 医師による診断書(判断能力の程度を記載したもの)
- 後見登記されていないことの証明書
- 財産目録(被後見人の財産状況をまとめた書類)
- 収入印紙・郵便切手
診断書の取得について
診断書は、かかりつけ医や精神科医など、ご本人の状態をよく把握している医師に依頼します。
診断書には、氏名・生年月日・診断名・判断能力の程度などが記載されます。
家庭裁判所の審判に影響する書類であるため、正確な情報を記載してもらうことが重要です。
※ 書類の様式や取得先は裁判所や自治体によって異なる場合があります。事前に管轄の家庭裁判所に確認することをお勧めします。
家庭裁判所への申立て方法と面接の流れ
書類が揃ったら、被後見人の住所地を管轄する家庭裁判所に申立てを行います。
窓口への直接提出と郵送提出のどちらかを選べますが、郵送の場合は事前に裁判所への確認が必要です。
面接の準備と当日の流れ
申立て後、家庭裁判所から面接日程の連絡があります。
面接では、申立ての経緯・被後見人の現状・後見人候補者についてなどを確認されます。
事前に被後見人の状況・財産の概要を整理しておくと、スムーズに対応しやすくなります。
持参するものの例として、本人確認書類・印鑑・必要書類のコピーなどが挙げられますが、裁判所ごとに異なる場合があります。
手続きの進め方が分からないときは、まず状況を共有してください
遺品整理や空き家片付けに関するご相談の中で、成年後見に関わるケースも少なくありません。
写真だけで状況を共有していただける場合も、まずはご連絡ください。
審判・後見登記・開始後の手続き
面接後、家庭裁判所が審判を行い、後見人の選任を決定します。
審判が確定すると、後見登記の手続きを行います。
後見登記とは、後見人の氏名・権限の範囲などを法務局に登録する手続きです。
成年後見開始後の義務
後見開始後は、後見人が被後見人の財産管理と身上監護を担います。
後見人は定期的に家庭裁判所へ報告書を提出する義務があります。
業務の範囲や報告のタイミングは、選任された後見人の種類によって異なります。
申立てに関する注意点とよくある質問
申立て後は取り下げに制限がある
申立てを行った後は、家庭裁判所の許可なく取り下げることができません。
申立てを行う前に、ご家族でよく話し合い、慎重に判断することが重要です。
後見人候補者の選定
候補者はご家族・親族から選ばれることが多いですが、家庭裁判所が弁護士・司法書士などの専門家を選任するケースもあります。
候補者を事前に立てる場合でも、最終的な選任は家庭裁判所の判断によります。
費用の目安
申立てにかかる費用には、収入印紙代・郵便切手代・鑑定費用などがあります。
専門家が後見人に選任された場合は、後見報酬が被後見人の財産から支払われます。金額は財産規模によって異なります。
手続き期間の目安
申立てから審判確定まで、数か月かかるのが一般的です。
鑑定が必要なケースでは、さらに時間がかかる場合があります。
手続きが難しいと感じたら
書類の準備・裁判所とのやりとりが複雑に感じる場合は、弁護士・司法書士・社会福祉士などの専門家に相談することを検討してください。
各地の家庭裁判所や、市区町村の相談窓口・成年後見センターなどでも情報提供を受けられる場合があります。
専門家への依頼は費用がかかりますが、手続きの負担を大きく軽減できるケースもあります。
まとめ
成年後見制度の申立ては、法定後見と任意後見の違いを理解した上で、書類の準備・申立て・面接・審判という流れで進みます。
手続きには一定の時間と書類準備が必要です。早めに情報を集め、必要であれば専門家への相談も検討してみてください。
不明な点は管轄の家庭裁判所や専門機関に問い合わせることをお勧めします。
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遺品整理・片付けのご相談は、まず現状の共有から
「後見手続き中で動けるか分からない」「どこまで依頼できるか確認したい」という段階でも大丈夫です。
写真を送るだけで状況を共有できるLINE相談もご利用いただけます。
手続きの進行状況によって、片付けの段取りや対応できる範囲が変わることもあります。
まだ手続き中の段階でも、「どのくらい準備が必要か確認したい」という相談は受けられる場合があります。現状だけ共有していただき、進め方を一緒に整理しましょう。