孤独死保険には「大家向け」と「入居者向け」がある
孤独死保険には、「大家向け」と「入居者向け」があります。
それぞれ商品の特徴、補償内容、保険料の算出方法などに違いがあります。
「大家向け」孤独死保険のメリット
大家さんにとって、「大家向け」孤独死保険のメリットは
・家賃損失保証がある
・保険金の受取人が、大家または管理会社である
ことです。
孤独死現状レポート(※)によると、孤独死案件に関する家賃保証の平均支払保険金額は、298,440円。
「入居者向け」にはこの家賃保証がありません。
また「大家向け」は、保険金が大家または管理会社に直接支払われるため、原状回復などの損害額を確実に補填できます。
一方「入居者向け」の場合は、入居者の保証人や相続人に保険金が支払われます。
そのため保証人や相続人がいない場合・連絡が取れない場合などは、スムーズに保険金が支払われず、大家さんの損害額が補填されない可能性もあるのです。
「大家向け」孤独死保険のデメリット
「大家向け」孤独死保険のデメリットは
・大家さんが保険料を支払う必要がある
ことです。
商品にもよりますが、1棟10戸のアパートで、保険料は年間3~4万円が相場です。
「入居者向け」の場合は、入居者が加入する火災保険の特約として入居者が保険料を支払うため、大家さんの費用負担はありません。
孤独死保険「大家向け」「入居者向け」はどちらがおすすめ?
賃貸経営の孤独死リスクには、「入居者向け」孤独死保険で備えることも可能です。
入居者に加入してもらう火災保険の「借家人賠償責任特約」が、孤独死による原状回復費用の補償となるケースもあります。
しかし家賃保証があることや、保険金のスムーズな支払といったメリットを考えると、総合的には「大家向け」孤独死保険に加入する方が安心です。
孤独死保険の賢い選び方
孤独死保険は、商品によって
■補償されるリスクの範囲
■保険金額
■保険期間
■保険料
などが違います。
例えば、孤独死発生率が高い60〜70代の男性の単身入居者が多ければ、補償内容の手厚さを。
若い単身入居者の多い賃貸物件であれば、補償内容と保険料のバランスを。
ファミリーの多い賃貸物件であれば、保険料の安さを重視した方が良いかもしれません。
ご自身の賃貸経営のニーズに合った孤独死保険を選びましょう。
大家さんにおすすめ孤独死保険5選
ここからは、賃貸経営の大家さんにおすすめの孤独死保険をご紹介します。
おすすめ孤独死保険1.大家の味方(あそしあ少額短期保険)
あそしあ少額短期保険の「大家の味方」は、手厚い補償で安心したい大家さんにおすすめの孤独死保険です。
主な補償内容は、入居者死亡・災害などによって途絶えた家賃収入を補償する家賃保証です。
家賃保証は入居者死亡だけでなく、災害でも受けられることがポイント。
また「修理費用担保特約」をつけることで、入居者死亡時の
・原状回復費用(修理費用保険金)
・修理費用以外の臨時費用(臨時費用保険金)
も補償され、孤独死保険として安心の内容になります。
原状回復費用は最大300万円まで、臨時費用は20~50万円までと、補償内容が非常に手厚いのが特徴です。
→「大家の味方」について詳しくはこちら
おすすめ孤独死保険2.無縁社会のお守り(アイアル少額短期保険)
アイアル少額短期保険の「無縁社会のお守り」は、賃貸物件の戸数が多い大家さんにおすすめの孤独死保険です。
「無縁社会のお守り」は、賃貸物件の戸数が多いほど保険料が安くなる仕組みになっています。
特に20戸以上の賃貸物件を営んでいる場合は、他の孤独死保険に比べて保険料がかなりお得になります。
→ 「無縁社会のお守り」について詳しくはこちら
おすすめ孤独死保険3.大家さんの安心ぷらす(住まいぷらす少額短期保険)
住まいぷらす少額短期保険の「大家さんの安心ぷらす」は、補償金額と保険料が2つのコースから選べるのが特徴です。
補償内容は、臨時費用保険金に家賃保証が含まれるなど、やや控えめですが
臨時費用保険金25万円コースを選べば、保険料を安くおさえることができます。
また自殺や犯罪死の場合は臨時費用保険金が2倍になるのもポイントです。
→「大家さんの安心ぷらす」について詳しくはこちら
おすすめ孤独死保険4.賃貸経営サポートプラン(公益財団法人 日本賃貸住宅管理協会)
日本賃貸住宅管理協会の「賃貸経営サポートプラン」は、充実した補償内容で保険料を安くおさえたい大家さんにおすすめの孤独死保険です。
ただし加入には、日本賃貸住宅管理協会の会員(もしくは委託契約を結ぶ賃貸管理会社が会員)であることが条件となります。
「賃貸経営サポートプラン」は団体保険なので、充実した補償内容で保険料が安いのが特徴です。
支払限度額100万円のコースを選べば、保険料は他商品と比べても最安レベル。
引受保険会社は大手損保会社の東京海上日動火災保険なので、安心感もあります。
→「賃貸経営サポートプラン」について詳しくはこちら
おすすめ孤独死保険5.火災保険の特約
孤独死保険は、火災保険の特約としても販売されています。
加入している火災保険に、大家さん向けの孤独死リスクを補償する特約があれば
単独で孤独死保険に加入するより手続きがスムーズで、保険料が安くなることも。
また孤独死保険の家賃保証が、「入居者死亡」による家賃損失のみを補償するのに対し、
火災保険特約の家賃保証は、「入居者死亡+災害」による家賃損失も補償してくれます。
ここからは孤独死リスクに備える特約がある、おすすめ火災保険をご紹介します。
東京海上日動「トータルアシスト住まいの保険」
※ただし特約を付加できるのは、2019年1月1日以降開始期の契約のみ
→「トータルアシスト住まいの保険」特約について詳しくはこちら
三井住友海上「GKすまいの保険」
→「GKすまいの保険」特約について詳しくはこちら
あいおいニッセイ同和「すまいの保険タフ」
→「すまいの保険タフ」特約について詳しくはこちら
損保ジャパン「THEすまいの保険」
→「THEすまいの保険」特約について詳しくはこちら
まとめ
大家さんが備えるべき孤独死リスクの実態と、おすすめの孤独死保険についてご紹介しました。
入居者の孤独死が発生した場合、大家さんには
・遺品整理
・特殊清掃や原状回復費用
・家賃値引き
といった損失が平均60万円、最大で300万円超発生しています。
また孤独死は高齢者だけのリスクではなく、若い世代にも発生する可能性があります。
こうしたリスクに備える孤独死保険には、
・補償内容が手厚いもの
・保険料が安いもの
・火災保険の特約型
など、様々な特徴の商品があります。
入居者の万が一の孤独死リスクに備え、ご自身の賃貸物件のニーズに合った孤独死保険を賢く選んでください。
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