特殊清掃で物件は原状回復できる?リフォームが必要なのかも解説!
賃貸物件などの退去時に、部屋を元の状態に戻せない場合は原状回復義務を負う必要があります。しかし、特殊清掃を行った場合、どの程度であれば原状回復したとみなされるのでしょうか。この記事では、物件の原状回復義務についてや原状回復のポイントについて解説していきます。
この記事を読むための時間:3分
物件の「原状回復義務」とは?
アパートなど賃貸契約における「原状回復」とは、部屋を借りていた人が退去する際、本来あるべき元の状態に部屋を戻してから家主に引き渡すことを指します。自然な症状の経年劣化であれば貸主、借主側に落ち度があった場合は貸主が原状回復の義務を負うのが一般的です。(参考:法務省「賃貸借契約に関するルールの見直し」)
退去時に求められる原状回復のレベル
自然な経年劣化や通常の範囲による損耗には、原状回復を求められることはありません。では、どのような場合に、原状回復を求められるのでしょうか。
経年劣化は不要(建物・設備等の自然な劣化)
建物や設備の自然な範囲の劣化の場合は、借主の原状回復は不要です。フローリングや畳・壁の自然な色褪せなどは借主の責任ではないため、回復を求められることはありません。
通常損耗は不要(賃借人の通常使用の範囲内)
通常の使用の範囲内の損耗の場合も、借主による原状回復は不要です。家具や家電を置いていた跡や床のへこみ、壁に開いた画鋲の穴などは通常損耗の範囲内です。
故意・過失で通常の範囲を超えた損耗には必要
借主に故意や過失があったり、通常の範囲を超えた損耗がある場合は、原状回復を求められます。孤独死の現場などでは、原状回復を求められる場合がほとんどです。この場合は表面上の清掃作業では元の状態に戻すことが困難なため、状況によってはリフォームなどを行います。原状回復をした上で貸主に引き渡す必要があるのです。(参考:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」)
特殊清掃を行って原状回復したと判断されるポイントは?
特殊清掃を行った場合、原状回復したと判断されるポイントは以下の3つです。
- 汚れやシミなどがない
- しっかり消臭され臭いが残っていない
- 遺品や物が撤去されている
1つずつ見ていきましょう。
汚れやシミなどがない
まずは、見た目の原状回復です。違和感なく元通り生活ができる部屋にするためには、見た目がきれいになっていなくてはいけません。
しっかり消臭され臭いが残っていない
原状回復において、しっかり消臭されていることは大変重要です。特殊な消臭対応を行わなければ、強い臭いは完全に消すことができません。そのため、完全消臭に対応してくれる業者に依頼することが大切です。
遺品や物が撤去されている
次の入居者を迎えるためには、遺品の片付けも必要です。人が住める状態になるように、遺品や不要物が完全に撤去されてなくてはいけません。遺品は遺族が引き取るか、状況によっては業者が処分を行うケースもあります。
原状回復リフォームが必要なケース
孤独死などの日数が経過していると、汚れが床に染みこんでいたり下地に入り込んだりしている場合があります。薄くはなっても完全に消し去ることができません。特に密閉空間である浴室は、人が臭いを感じやすい上、丁寧に清掃しても汚れを取りきることが難しい場所です。このようなケースでは特殊清掃をするだけでは原状回復が難しいため、リフォームが必要になるでしょう。
物件の原状回復は悩まずに専門業者に依頼しよう
特殊清掃が必要になった場合、賃貸であれば家主より損害賠償を請求されるなど原状回復義務によるトラブルが発生する可能性があります。悲しみの上に原状回復という大きな責任がのしかかり、精神的にも大きな負担となるでしょう。その際は、原状回復まで任せられる特殊清掃業者に任せることをおすすめします。