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親が残した財産の整理はどう進める?ステップをご紹介!

親が亡くなった際、悲しみ暮れる中でも、様々なタスクをこなしていかねばなりません。通夜や葬式の手配に始まり、役所への届け出など色々とありますが、遺産整理もその内の一つです。この記事では、親が残した財産の整理をどう進めていくかについて紹介します。

 

◆親の財産整理の必要性

遺産整理を行い相続する一連の流れは、法的な問題も絡み手間がかかるものです。しかし、相続人には遺産整理の責任があり、一般的に故人と一番近しい人が行うことになっています。きちんと遺産整理をすることで、以下の問題を防ぐことが出来ます。

 

  1. 相続漏れを防ぐ: しっかり財産を洗い出した上で、遺産分割協議を行うことで、後から親の財産の漏れに気付き、誰が相続するか揉める、といったトラブルを防ぐことが出来ます。
  2. 未払いの債務の確認: 親が残した資産だけでなく借金も相続の対象になります。借金が高額な場合、相続放棄を考える方もいると思いますが、相続開始を知ってから三ヶ月以内でないと相続放棄ができなくなります。早めに遺産整理を行うことで、後ほど借金が見つかり、高額な負債を抱えることになってしまうトラブルを防ぐことができます。

 

 

資産と負債の洗い出し

まずは親が残した資産を洗い出しましょう。預金だけでなく、不動産など資産価値のあるものを含みます。

 

金融資産の確認

  1. 預貯金: 親の通帳やキャッシュカードから金融機関をリストアップし、各機関に残高証明書及び取引明細書を出してもらいましょう。それを元に預金の総額を確認します。
  2. 投資口座: 親が投資している場合、預貯金と同様に、各社に取引残高証明書請求します。戸籍謄本や印鑑証明を求められることもあるので準備しておきましょう。

 

不動産の確認

親が保有していた不動産は以下の方法で確認することができます。

  1. 固定資産税の納税通知書: 不動産には固定資産税がかかるため、毎年行政から納税通知書が送られてきます。納税通知書に載っている不動産であれば、所在地番号まで確認することができます。しかし、親が通知書を保管していない場合や、親が保有している全ての不動産が載っていないこともあるため注意が必要です。
  2. 登記資料: 土地や建物を購入する際、重要な権利証として登記資料が発生します。登記資料を確認することで、購入時の詳しい情報が分かります。重要書類のため、家に大切に保管している可能性が高いので探してみましょう。
  3. 名寄帳: 名寄帳とは、所有者ごとに土地や建物を一覧にしてまとめたもので、市区町村の役場にて請求ができます。名寄帳を見ることで、親が所有していた不動産をスムーズに確認することができます。取り寄せが可能なのは相続人のみです。

 

貴金属や自動車などの確認

預金や不動産以外にも相続対象となる財産があります。以下はその一例です。

  1. 貴金属: 金やプラチナといった高額な貴金属も相続対象となります。また、高額な宝石も相続の対象となることがあります。相続人同士のトラブルを避けるために、しっかりとリストアップしましょう。
  2. 自動車: 親が自動車を所有していた場合、そちらも相続対象となります。車の所有者を確認できる書類や、必要に応じて査定結果を用意しましょう。

 

 

◆負債の確認と相続放棄

遺産相続の対象には、預貯金や不動産といった財産以外にも、借金などの負債も含まれます。これらも漏れがないようにリストアップすることが重要です。

 

負債の確認

  1. 相続対象となる負債: 消費者金融での借り入れやカードローンを始め、友人など個人からの借金や、家賃や光熱費等の各種支払いも含まれます。
  2. 負債の確認方法: 消費者金融での借り入れやカードローンについては、信用情報機関に情報開示を求めましょう。相続人であれば信用情報を取得することができます。その他の負債に関しては、まず自宅内を調べましょう。支払いがない場合留守電が入っていることもあるのでそちらも確認してください。

 

相続放棄の選択

負債が多く、資産を上回ってしまう際は相続放棄を検討しましょう。

  1. 相続放棄とは: 相続放棄とは、法的に全ての相続財産を放棄することです。相続放棄により、最初から相続人でなかったものとみなされます。
  2. 財産放棄との違い: 財産放棄とは次の項目で触れる遺産分割協議にて、相続をしない意思を示すことです。相続放棄と異なり、後から負債が見つかった際に請求される可能性があります。
  3. 相続放棄の手続き: 相続放棄は家庭裁判所に申し立てを行います。いくつか必要書類があるので、事前に調べて準備しましょう。手続きは相続開始を知ってから三カ月以内に行わなければならないため、相続放棄を考える場合早めに申し立てましょう。なお、遺産分割協議に参加してしまうと、相続人とみなされてしまい、相続放棄が出来なくなることがあるため注意が必要です。

 

 

遺産分割の協議

親の財産のリストアップが終わったら、相続人全員で集まり遺産分割の話し合いを行いましょう。相続人同士でのコミュニケーションをしっかり取り、公正な分割を目指しましょう。

 

遺言書の確認

親が遺言書を作成しているかどうかを確認します。遺言書がある場合、遺産相続協議書の作成は不要です。封がされている場合は勝手に開封せず、未開封の状態で家庭裁判所に提出してください。

 

財産目録の作成

先の項目で調べた、親の残した財産を一覧にしたものを作成しましょう。負債も含めて作成します。それぞれの財産の数量や価値などの情報も含めて書きだしましょう。

 

遺産分割協議

遺産分割協議は、遺言書がない場合、相続人が親の財産を公平に分割するために行います。また、遺言書があっても相続人全員が内容に反対する場合も協議を行うことが出来ます。

  1. 遺産分割協議とは: 遺産分割協議とは、相続人全員で遺産の分け方を話合う場です。相続税の申告が相続の開始を知ってから10か月以内のため、それに間に合うように行いましょう。
  2. 相続人の調査: 亡くなった人の配偶者、親、子供、兄弟などが対象になります。相続人の組み合わせや配分は家族構成によって異なります。例えば法定では、配偶者と二人の子供がいる場合は、配偶者が半分、子供が四分の一ずつ相続を認められます。

 

遺産分割協議書の作成

遺産分割の内容が決まったら、遺産分割協議書を作成します。

  1. 協議書の要件: 書き方に決まりはありませんが、後程トラブルを避けるために、どの遺産を誰が相続するのか、後日判明した財産や負債の扱いはどうするのかなど具体的な内容を記載し、相続人全員が押印をします。
  2. 司法書士や弁護士の協力: 遺産分割協議書を作る上で不安がある場合は、弁護士や司法書士などの専門家に依頼すると安心です。

 

 

法的手続きの実施

財産の相続人が決まったら、相続の手続きを行いましょう。

 

名義変更

  1. 不動産: 相続した不動産は名義変更する必要があります。相続人の戸籍謄本や住民票などの必要書類を揃え、登記申請書を作成する必要があります。相続する不動産が多かったり、相続人が複数であったりする場合手続きが煩雑となるため、司法書士に依頼することを考えましょう。
  2. 預金口座: 預金を相続する場合、口座の名義変更をする方法と、解約して払い戻しを行う方法があります。銀行に連絡し、印鑑証明などの必要書類を準備して手続きしましょう。

 

相続税の申告

相続した遺産額により相続税が発生することがあります。基本的には3000万円+相続人の人数×600万円の基礎控除額を超えると相続税が生じます。相続税が発生する場合は、税務署への申告書の提出が必要です。

 

 

◆まとめ:親の財産整理を成功させるために

財産整理の重要性の再認識

親の財産整理は、遺産分割を円滑に進めるために大切です。後から財産や負債が見つかりトラブルになることを避けるためにも、漏れが無いように気を付けましょう。

 

家族間のコミュニケーションの重要性

遺産分割は相続人全員と協議が必要です。お互いの意見を聞き、公正な遺産分割を行いましょう。

 

専門家への相談

遺産相続には煩雑な手続きが多いです。不安な場合は弁護士や司法書士に相談し、サポートを受けましょう。

 

親が残した財産の整理は、家族の協力と専門家のサポートを得ながら、適切に進めていくことが大切です。必要な手続きを進め、親の遺産を大切に受け継ぎましょう。