在宅介護をする家族への支援は何がある?負担軽減方法をご紹介!
介護には老人ホームなどを利用する施設介護と、自宅で行う在宅介護があります。在宅介護は住み慣れた自宅で生活を続けられる一方、介護を担う家族の負担が大きくなります。この記事では、在宅介護における家族の負担を軽減するための方法や、支援する制度について紹介します。
◆家族介護における支援の重要性
家族介護の現状
介護を受けることになった場合、7割以上の人が在宅介護を希望しており、現状は半分以上の要介護者は自宅もしくは家族の家で介護を受けています。
在宅介護における家族への負担
在宅介護では主な介護者は家族です。施設入居に比べて費用は抑えられるメリットがありますが、身体的にも精神的にも負担となり、それは介護度が高くなるほど大きくなります。家族の自由な時間が減少したり仕事に影響したりする事も少なくありません。
家族が介護生活で果たす役割
介護者の役割は身体的なサポートだけでなく、服薬管理、日常的な家事、財産管理、受診の付き添い、書類手続きなど多岐に渡ります。さらに認知機能に問題がある場合は、危険な行動をしないか目を離さないようにしなければなりません。
◆介護負担の軽減方法
時間管理による効率化
服薬管理など毎日やらないといけないことは、時間を決めておきましょう。スケジュール表を作成し貼っておくと、次に何をすべきか明確となり、スムーズに動くことができます。
家族間での協力
- 介護の役割分担: 同居する家族が複数人いる場合は、それぞれの空いている時間や体力などを加味して役割分担を行いましょう。
- 家事の協力: 介護だけでなく、家事も家族で分担しましょう。誰か一人に大きな負担がかからないように注意が必要です。
介護グッズの活用
- ワイヤレスチャイム: ワイヤレスチャイムを使うことで、病院のナースコールのように何かあった際に要介護者が介護者を呼ぶことができます。スマートフォンに連動できるものもあるので、外出時も安心です。
- 排尿検知器: 排尿のタイミングを検知できる機械です。おむつ交換のタイミングを失敗することが無くなり、介護する側受ける側どちらの負担も軽減できます。
- シャワーチェアー: 要介護者の安全な入浴をサポートし、介護者の負担を軽減してくれます。様々なタイプがあるので、要介護者の身体状況に合わせて選びましょう。レンタルで試用することも可能です。
外注サービスの活用
仕事もある中で介護をしなければならず、時間が足りないという方もいると思います。全て家族だけでこなそうとせず、外部サービスも活用しましょう。家事代行サービスや清掃業者に依頼することで、生活の質を保つことが出来ます。
◆介護者への心理的サポート
長期間の在宅介護は、介護者に大きな心理的負担を与えます。介護ストレスは、介護鬱に繋がる場合もあります。ここでは介護ストレスの解消法について紹介します。
ストレスチェックと自己ケア
- ストレスチェック: ストレスは無自覚の場合もあります。知らず知らずのうちに身体の不調に繋がっているかもしれません。定期的な介護ストレスチェックを行い、介護者自身の健康管理を行うことも大切です。
- 自己ケア: 自身の生活と介護の両立は大変です。なかなか自分の時間を取ることが出来ないとストレスが溜まっていきます。家族や介護サービスを頼り、自身の時間を確保できるようにしましょう。好きな場所へのお出かけや友人との会話、趣味を楽しむ時間はリフレッシュになります。
介護者同士の交流
他の介護者と交流することで、経験や苦労を共感しあうことができるでしょう。介護者の交流会やオンラインコミュニティに参加し、情報交換したり励まし合ったりすることで心が楽になるかもしれません。知らなかった便利な知識を得られる可能性もあります。
◆介護支援サービスの活用
在宅介護は介護者への負担が大きいです。特に近年増えている老老介護の世帯は体力的にも介護が厳しいと感じている方も多いでしょう。在宅介護の場合、訪問介護などの介護サービスを受ける事が可能です。以下に紹介する制度を活用することで、負担を軽減することができます。
在宅介護の支援サービス
- 訪問介護: 訪問介護は介護ヘルパーが自宅へ訪問して、要介護者の身の回りの世話をしてくれるサービスです。入浴や食事の介助といった身体介護と、買い物や掃除などの生活援助を受ける事ができます。同居家族がいる場合、生活援助は制限されることもあるので、どこまでサービスを受ける事が可能か、介護支援専門員に相談しましょう。
- 通所サービス: デイサービスと言われる、利用者が施設に通って受けることができるサービスです。食事や入浴といった日常生活の介助を受けられるほか、レクリエーションへの参加を通じて利用者同士で交流を持つこともできます。自宅への送迎がある場合が多く、家族の負担を大幅に軽減することが出来ます。
- 短期入所サービス: 要介護者が介護施設に短期間宿泊し、介護を受けることができるサービスです。数日から数週間利用することが出来ます。家族の休息や冠婚葬祭時に利用されることが多いです。
介護保険の活用
外部のサービスを受けると金銭面が心配という方も多いと思いますが、訪問介護は介護保険が適用されます。受けるサービスによって自己負担額は異なるため、ケアマネージャーと相談し受けるサービスの内容を決めましょう。
経済的負担の軽減制度
在宅介護には利用できる補助金や負担軽減制度があります。ここではいくつかの制度を紹介します。
- 高額介護サービス費: 介護保険が適応されるサービスであれば、自己負担は所得に応じて1~3割で済みます。とはいえ、いくつかの介護サービスを併用した場合は、自己負担分でも高額になってしまうことがあります。高額介護サービス費とは、月当たりの自己負担額が高額になった場合、所得に応じて限度額を超えた分を払い戻ししてもらえる制度です。
- 介護休業給付金: 親族の介護のために仕事を休む必要がある人が対象になる制度です。給付金を受けるにはいくつかの条件がありますが、休業開始前賃金の67%を最大で93日×3回を受け取ることが出来ます。
- 介護リフォーム補助金: 在宅介護のために自宅をバリアフリー対応にするなどのリフォームをする場合には補助金が支給されます。1割は自己負担となりますが上限20万円まで補助金が出るため活用しましょう。
◆まとめ:在宅介護における家族の負担軽減
在宅介護における負担
在宅介護における家族の負担は大きなものです。肉体的負担はもちろん、自由な時間が減り、要介護者のことを気にかけねばならず精神的負担も大きいです。介護以外にも、自身の生活を維持しなければならず、介護生活が長く続くと大きなストレスとなる場合が多いです。
介護者の負担軽減方法
在宅介護において、介護者の負担軽減は重要です。現在は介護に使える様々な便利グッズがあるため活用しましょう。物によっては補助金制度も利用できます。また、介護によるストレスの軽減も大切です。介護者自身の自由な時間を確保し、リフレッシュできるようにしましょう。
外部サービスの活用
家族のみの介護で無理をしてしまい介護者の健康を損ねてしまっては元も子もありません。訪問介護サービスなどの外部サービスを積極的に活用し、介護者の負担を軽減させましょう。プロのサービスを受ける事ができるので、要介護者も安心です。
要介護者にとって、住み慣れた自宅で家族に介護を受けることは安心感があります。しかし、家族にとって介護は大きな負担になるものです。サービスや制度を活用し、無理をし過ぎずに介護と向き合いましょう。
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