遺品整理は、故人を失った遺族にとって精神的にも肉体的にも負担の大きな作業です。
遺品の量や住居の広さ、作業人数などの条件によって、その所要時間は大きく異なります。
効率的に遺品整理を進めるためには、綿密な計画が欠かせません。
ここでは、遺品整理にかかる時間の目安と、スムーズに作業を進めるためのポイントを解説します。

□遺品整理に必要な時間：条件による違い

遺品整理の所要時間は、以下の条件によって大きく左右されます。

1:故人の住居タイプ

ワンルームマンションの場合、1名で2～3時間程度で完了することが多いですが、一軒家になると数日間を要することもあります。

2:遺品の量

部屋の中に遺品があふれている場合は、整理に膨大な時間がかかります。

一方、生前に整理整頓されていた場合は、比較的スムーズに作業が進むでしょう。

3:作業人数

1人で黙々と作業を進めるよりも、数人で手分けをした方が効率は格段に上がります。

ただし、人数が多すぎても、かえって作業がスムーズに進まないこともあるので注意が必要です。

4:故人宅の立地

都心のマンションの上層階にある場合、エレベーターに乗れる量に限りがあるため、搬出に時間がかかります。

一方、平屋の一軒家であれば、搬出はスムーズに進むでしょう。

ワンルームで遺品が少なく、複数人で作業ができる環境であれば1週間程度で完了しますが、一軒家に大量の遺品が残されている場合は、1年以上をかけて少しずつ整理を進めるケースもあります。

状況に応じて、現実的な作業スケジュールを立てることが肝要です。

□効率的な遺品整理のための計画法

限られた時間の中で効率よく遺品整理を進めるためには、入念な計画が欠かせません。

1:作業日時を事前に決めておく

仕事や日常生活に追われていると、なかなか遺品整理の時間が取れないものです。

そこで、あらかじめ作業日時を決めておくことが大切です。

なるべく関係者全員が集まれる日を設定し、スケジュール調整をしておきましょう。

2:期限のある手続きから着手する

遺品整理では、保険金の請求や税金の申告など、期限が決められている手続きもあります。

計画を立てる際は、こうした期限を確認し、優先順位を付けておくことが重要です。

3:人員配置を工夫する

たとえ少人数でも、各自の得意分野を生かした役割分担を行えば、作業効率は格段に上がります。

たとえば、重たい荷物を運ぶ係、書類を整理する係、思い出の品を仕分ける係などに分かれるのも一案です。

一人ひとりが責任を持って役割を果たすことで、チームワークが深まるというメリットもあるでしょう。

4:プロに依頼することも視野に入れる

人手不足で作業が進まない場合や、大量の遺品を前に途方に暮れている場合は、思い切って遺品整理のプロに依頼するのも賢明です。

特に、特殊清掃が必要な場合は、専門スキルを持つプロの助けを借りるのが得策と言えます。

プロに任せることで、故人に対する負い目から解放され、前を向いて歩き出すきっかけになるかもしれません。

□まとめ

遺品整理は故人への別れの作業であり、心身ともに大きな負担がかかります。

所要時間は、住居タイプ、遺品の量、作業人数、立地条件など、様々な要因によって異なります。

計画的に作業日時を設定し、得意分野に合わせて役割分担することが、効率化のポイントとなるでしょう。

状況によっては、遺品整理のプロに依頼することも視野に入れてください。

大切なのは、故人を偲びながら、遺族の心に寄り添って丁寧に整理を進めていくことです。

一つひとつの遺品に込められた故人の思いを受け止めつつ、遺族の新たな人生の一歩を踏み出すお手伝いができれば幸いです。