親の財産整理はどう進める?ステップをご紹介!
一昔前は、死後の事に備えることは縁起が悪いという人も多かったですが、最近は「終活」という言葉も良く耳にするようになり、生前整理は身近なものとなっています。親が元気な内に財産の整理を行っておくことで、相続が発生した際の負担を大幅に減らすことが出来ます。この記事では親の財産を整理する方法について紹介します。
◆財産整理の必要性
遺族の負担軽減
親が亡くなった際に、財産整理を行っていないと、遺族は財産の把握から始めなければなりません。どこにあるか分からない財産を探すことは手間がかかり、その後の手続きにも時間を要します。生前に整理を行うことで、親への確認もでき、葬儀後の忙しい時の負担も軽減できます。
相続のトラブル防止
相続はトラブルが発生しやすいイベントです。事前に家族で話し合い、親に遺言書を作成してもらうことでトラブルのリスクを大幅に下げることが出来ます。
財産状況の把握
親の財産整理のサポートをすることで、生活に使えるお金やもしもの時の保険の状況について把握することが出来ます。もし生活資金が不足しているようであれば、仕送りや生活費の見直しを行うことが可能です。特に生活に問題ないことが分かれば、子供世帯も安心です。
◆資産の棚卸しと整理
財産整理を始める時は、まず親が持っている資産をリストアップして情報をまとめましょう。
資産リストの洗い出し
資産には例えば以下のようなものがあります。項目ごとに情報をまとめましょう。
- 不動産: 大きな資産の一つとして、土地や建物があります。それぞれの情報と資料を確認しましょう。
- 預金: 銀行口座とその預金残高を書き出します。複数ある場合は分けて記載しましょう。ネット銀行も含みます。
- 証券口座: 株式を持っていたり、投資信託で運用したりしている場合、それも資産に入ります。
- 負債: 借金やローンがあれば、それも財産の一つとなるため、内容を記載しましょう。
銀行口座の一本化
親が複数の銀行口座を持っている場合、一本化することを進めてみましょう。これにより、資産管理がしやすくなり、相続の際の手続きもスムーズになります。
加入している保険と内容の確認
加入している保険の種類と補償内容を確認しましょう。生命保険、医療保険、自動車保険などが含まれます。万が一に備え、保険金の受け取り方法も確認しておくことをおすすめします。もし不要な物があれば、乗り換えや解約も検討してみて下さい。
◆相続計画の策定
親の持つ財産を確認したら、相続について話し合いの場を設けましょう。相続人となる家族と親自身の気持ちや考えを確認して進めて下さい。
親の希望の確認
まず、親がどのような希望を持っているかを確認して下さい。親が築き上げてきた財産なので、気持ちはしっかり尊重しましょう。相続以外にも、葬儀の希望や遺品の処理方法なども確認しておくと、親の死後でも希望を叶えることができます。
相続人との相談
相続人全員で集まり、親の意向や希望を尊重しながら、財産の分配方法や使い道について話し合いの場を設けましょう。ここでしっかり話し合っておくことで、相続で発生しがちな親族間のトラブルを減らすことができます。
生前贈与による相続税対策
相続の対象となる財産が多い場合は、一部を生前贈与してもらえないか相談しましょう。相続税を軽減することができます。一年間の贈与額が110万円以内であれば非課税となります。
◆遺言書の作成と更新
相続について家族で話し合いが終わったら、親に遺言書の作成を依頼しましょう。
遺言書のメリット
- 意志を尊重: 法的要件を満たした遺言書があれば、相続に親の意思を反映することができます。
- 相続のトラブルを防ぐ:事前に話し合いを行った内容を親にも伝えて、遺言書に反映してもらうことで、相続時に揉めることを防ぐことができます。
- 財産分与の負担軽減: 遺言が無い場合、相続人全員が集まり遺産相続協議を行う必要があります。もし遺言書があり、内容に問題が無ければ相続はスムーズに進みます。
遺言書の内容と法的な要件
- 遺言書の内容: 遺言書には、誰に何を相続させるか明記する必要があります。相続人の名前や対象となる財産の詳細を記載してもらいましょう。
- 遺言書の法的要件: 遺言書には自筆証書遺言や公正証書遺言などの種類があります。自筆する場合、守らなければならない要件に注意して下さい。例えば、署名や押印が必要だったり、全文を自筆しなければならなかったりといくつかのルールがあります。
専門家への相談
自分達だけで進めるのは不安だという場合は、専門家に相談をおすすめします。
- 弁護士: 遺言書の内容が複雑だったり、トラブルの予兆があったりする場合は弁護士への相談がおすすめです。相続人同士の争いに発展しないように適切なアドバイスをもらうことができます。
- 行政書士: 行政書士は書面を作成する専門家です。遺言書の作成について相談をすることができます。比較的単純な相続内容である場合は行政書士への相談も選択肢の一つです。
定期的な見直し
遺言書は心境の変化や財産の増減があった場合見直しが必要になることもあります。更新の必要がないかを定期的に確認しましょう。
◆重要文書の整理と保管
遺言書や、財産関係の重要書類はしっかりと管理を行う必要があります。
重要書類の整理
- 遺言書: 遺言書の書き換えなどにより、複数になってしまった場合、基本的に最新の日付の物が有効にはなりますが、古い物は処分した方がややこしくないです。
- 不動産関連: 土地や建物を契約した際の書類の所在を確認し、相続時に必要なものが揃っているか確認して下さい。
- 金融機関関係: 銀行口座、証券口座などの関係書類もまとめておきましょう。解約や相続が必要となった際に役立ちます。
安全な文書保管の方法
重要書類は紛失を防ぐ対策を行いましょう。
- 貸金庫: 親の自宅での保管に不安がある場合、貸金庫に預ける方法があります。火事や泥棒の被害から防ぐことができるので安心です。
- デジタル化: 文書をスキャンしてデジタル化し保存する方法もあります。元書類も保管した上で、デジタルデータも持っておくことをおすすめします。
相続人への共有
重要書類を整理したら、他の相続人にも保管場所を共有しましょう。一人しか把握していないと、万が一の時に対応できる人が減ってしまったり、トラブルに発展してしまったりする可能性があります。
◆まとめ:財産整理成功の鍵
生前準備の重要性の理解
生前に財産を整理することで得られるメリットを親にしっかり理解してもらいましょう。子ども達が楽になるだけでなく、親自身にもメリットがある点をしっかり説明してみて下さい。無理やり進めることはせず、親の理解を得たうえで、財産整理をフォローしましょう。
家族とのコミュニケーション
親の財産の整理は一人で勝手に進めてはいけません。親自身はもちろんですが、兄弟などの相続人にも相談してから行いましょう。財産の分配に関しては、全員が納得する内容を目指し、家族間に亀裂が入らないように注意して下さい。
定期的な見直し
財産の価値や親や自身を取り巻く環境は変化していくものです。それらに合わせて、財産のリストや遺言書の内容の更新を行いましょう。
自身の親に対して、生前整理の話題は切り出しにくいかもしれません。しかし、親が元気な内に整理を進めることで、遺族の負担が軽減するだけでなく、親自身の希望も叶えることができるようになります。家族全員で話し合い、財産整理を
進めましょう。
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