高齢者の生活の質を向上させるには?ポイントをご紹介!
生活の質(QOL)は、人生の充実度に直結します。毎日の生活習慣の質を高める事で、元気に楽しく日々を過ごすことができます。逆に質の悪い生活を送ると心身に悪影響をもたらし、どんどん気力がなくなっていく負のスパイラルに陥りかねません。特に、高齢になると質の悪い生活習慣は病気や無気力状態に繋がりやすいです。この記事では、高齢者の暮らしに焦点をあて、QOLを向上させるためのポイントを紹介します。
◆生活の質の向上が高齢者にもたらす影響
健康寿命を延ばす
良い生活習慣を送ることは健康寿命を延ばすことに繋がります。近年、医療技術の向上もあり、平均寿命は次第に長くなっています。しかし、いくら寿命が長くなったとしても、早い段階で病気になったり、身体が不自由になったりすると、やりたい事があってもできないという状態に陥ってしまいます。
心の健康維持
生活の質の向上は心の健康維持にも繋がります。健康な状態であれば、趣味や他人との交流活動も容易になり、毎日の生活が充実します。また、不健康で不自由な状態は疲れやすく、ストレスを抱えやすいです。
介護負担の軽減
生活の質が悪いと、病気やケガのリスクが上がり、介護を受けなければ生活が出来なくなる可能性が高くなります。現在、要介護者の増加は社会問題となっており、介護施設も入居待ちでなかなか入れないという方も多いです。入居できたとしても費用の負担は大きいです。また、家族に介護を受ける場合、大きな負担をかけることになります。
◆食生活の管理
毎日行う食事。食事が一日の中で一番の楽しみという方も多いと思います。健康の維持には良い食生活を行うことが重要です。ここでは、高齢者の食生活において注意した方がいいポイントをいくつか紹介します。
高齢者に適した食事
- 栄養バランス: 高齢になると、食への興味が薄れ、低栄養状態になることが多いです。同じものばかり食べる人、調理が容易なインスタント食品ばかり摂る人もいます。栄養バランスの悪い食事は健康面に多大な影響を与えます。特に不足しがちなタンパク質を摂り、糖質・脂質のバランスを考え、塩分の摂りすぎには気を付けましょう。宅配食やミールキットを活用すると、手軽にバランスを考慮した食事を摂ることができるので取り入れてみましょう。
- 咀嚼低下を予防: 年を取ると嚙む力が弱くなります。だからと言って、柔らかい物ばかり食べていると、更に咀嚼力が低下していきます。咀嚼力が低下すると、食べられない物が増え、食事の楽しみが減ります。一口につき30回噛むなどの目標を設定し、咀嚼力の低下を防ぎましょう。
- 嚥下能力の低下を考慮: 加齢に伴い、飲み込む力が弱くなり誤嚥を起こしやすくなります。正月などに高齢者が餅を喉に詰まらせた、というニュースを耳にすることもあると思います。飲み込みにくい食材は、小さく刻んだり、避けたりすることで誤嚥のリスクを下げることができます。また、液体も誤嚥しやすいので、とろみをつける事で飲み込みやすくすることを検討しましょう。
生活リズムに合わせた食事時間
歳を取ると、早寝早起きになりやすいです。睡眠時間の変動に合わせて食事時間もずらしましょう。特に夕飯を食べてすぐ寝ると睡眠の質が低下してしまうので、寝る2~3時間前には夕飯を終えるように心がけましょう。
誰かと一緒に食べる
一人で食事をすると、つまらなさや寂しさを感じることがあります。家族や友人と一緒に食事をすることで、食事を楽しむことができ、生活に張りがでます。家族と離れて暮らしている場合は、オンラインで共食の場を設けることもできます。
◆適切な運動と規則正しい生活習慣
人は加齢に伴い筋力が低下していきます。30歳を過ぎて何もしないと年に1%筋肉量が減っていくとも言われています。健康寿命を延ばすには適切な運動習慣は欠かせません。規則正しい生活と運動により、体力の低下を抑えましょう。
運動の効果とおすすめの方法
- 運動の効果: 高齢者にとって運動習慣は様々な効果をもたらします。例えば、筋肉の維持により怪我を防ぎ、活動的な日々を送ることができます。また、運動は生活習慣病や骨粗鬆症など高齢者が陥りやすい疾患を予防する効果もあります。
- 高齢者に適した運動: 運動習慣は大切ですが、身体に負荷がかかりすぎる運動は怪我や疲れに繋がってしまいます。高齢者におすすめの運動としては、水泳やウォーキングなどの有酸素運動、毎日の習慣にしやすいラジオ体操があります。また、無理の無い範囲のエクササイズや筋トレもおすすめです。
- 日常における運動習慣: 毎日の生活に運動習慣を取り入れてみましょう。例えば、ちょっとした買い物の時は歩いて行く、手すりのある安全な階段の上り下りをする、などの方法があります。
睡眠サイクルと時間
仕事を引退している場合、毎日規則正しく起床する必要が無くなり、睡眠のタイミングが乱れてしまうことがあります。不規則な睡眠は疲れが取れにくくなり、最近の研究では心臓病のリスクが高まることも分かっています。規則正しい入眠・起床時間を心掛けましょう。また、睡眠時間も体の不調に繋がります。寝不足や寝すぎを避け、昼寝のし過ぎにも気を付けましょう。
◆趣味の発見と活動
仕事を引退した高齢者にとって、趣味の存在は日々の生活に活力をもたらします。やりたい事や夢中になれることを見つけられれば大きな生きがいとなるでしょう。ここでは趣味がもたらす効果や趣味の見つけ方について紹介します。
趣味がもたらす効果
- 心身の健康維持: 趣味を楽しむことで、ストレスを発散することができます。趣味が生きがいとなれば、向上心や探求心が強くなり、活力に満ちた日々を送ることが出来ます。
- 社会的つながり: 子供が巣立ち、仕事を引退した高齢者は人との繋がりが減り、社会的に孤立しやすいです。趣味によって人との繋がりが生まれれば、コミュニケーションの機会も増え、孤独感を解消できます。
- 健康への影響: 新しい趣味を始めることは、脳の活性化に繋がるので、認知症のリスクを下げることができます。また、身体を動かす趣味であれば運動習慣にもなり、筋力維持にも良い影響を与えます。
新たな趣味の見つけ方
- 興味を探求: 自分がこれまでに興味を持ったものや、やってみたかったことを思い出してみましょう。今までは時間がなく出来なかったことも、ゆっくりとチャレンジすることが出来ます。新たな挑戦は良い刺激となります。
- 友達の紹介: 友達の趣味を紹介してもらう方法もあります。分からないことを聞けたり、一緒にイベントに参加できたりするので、敷居が低くなります。友達と過ごす趣味の時間はより楽しいものとなるでしょう。
- イベントへの参加: 地域の様々なイベントに参加してみるのも一つの手です。これまでは見たこともなかった新たな出会いがあるかもしれません。
◆住環境の整備
毎日を過ごす自宅は過ごしやすい場所であるべきです。特に高齢者は自宅で過ごす時間が多いため、住環境を整えると生活の質が大幅に向上することもあります。ここでは、高齢者の住環境を整備する際のポイントを紹介します。
住居のバリアフリー化と整理整頓
- バリアフリー化: 高齢者はちょっとした転倒が大きな怪我に繋がりやすいです。一度怪我をしてしまうと、なかなか治らずしばらく自由な生活が制限されてしまうこともあります。自宅での転倒を避けるため、段差を無くしたり、手すりを設置したりして安全に移動できる室内を目指して下さい。
- 物の整理: 家に物が多いと、室内で動きにくくなったり、物がすぐに見つけられなかったりします。不要な物が無く、整えられた室内は見た目にも快適です。不要な物は処分し、室内を整え生活の質を高めましょう。
快適性向上のための工夫
- 快適な家具: 毎日使うベッドや椅子は、身体にあったものを選びましょう。食事や睡眠がより快適なものになります。
- 居心地の良い空間: 家の中に居心地の良いスペースを作りましょう。例えば日当たりのいい窓辺にくつろぎスペースを作ることで、穏やかな時間を過ごすことが出来ます。
◆まとめ:老後生活の質を高める意義
元気に長生きできる
年を取っても活き活きとしている人は憧れますよね。適切な運動やバランスの取れた食事により、生活の質を高めることで健康寿命が延び、元気に長生きすることができます。
幸福感が高まる
身体が元気な状態で自由に好きなことが出来る毎日は楽しいです。趣味を見つけ、充実した生活を送ることで幸せを感じることが出来るでしょう。
人生百年時代と言われる現代。長生きしても元気でなければもったいないです。生活の質を高め、健康に楽しく暮らしましょう。
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