デジタル遺品はどう整理したらいい?方法をご紹介!
さまざまな物のデジタル化が進む現代では、PCやオンライン上のデータとして写真や情報を残している人も多いと思います。家族が亡くなった際に行わなければならない遺品整理では、デジタルデータもその対象になります。この記事ではデジタル遺品の整理方法について紹介します。
◆デジタル遺品とは
デジタル遺品は、故人が使用していたデジタル機器内やオンライン上に保存されたデータのことを言います。例えば、スマートフォン内の写真データや、オンラインのメールフォルダなど多岐に渡ります。最近増えているネットバンクや契約していたサブスクなどのサービスも含まれます。
◆デジタル遺品の放置による危険性
デジタル遺品は、実体のある物と違って目に付かなかったり、場所を取ることもなかったりするので整理を忘れてしまいがちです。しかし、放置してしまうと以下のような危険性や問題が生じることがあります。
アカウントの不正利用
アカウントの所持者が亡くなり、管理する人がいなくなったアカウントは不正利用されたとしても気付くことが出来ません。悪用やなりすましによる犯罪に繋がる可能性もあります。
個人情報の流失
パソコンやスマートフォンといったデジタル機器を、そのまま第三者に譲ったり売却したりすると個人情報が流出する恐れがあります。
継続的な支払いの発生
サブスク契約など、定期的な支払いが必要な契約をしていた場合、解約の必要があります。現物が届くような物であれば簡単に気付くことが出来ますが、動画配信サイトなどの場合調べなければ契約の存在自体に気付くことが出来ない場合もあります。解約手続きを行わないと、死後も料金の引き落としが発生してしまうことがあります。
◆デジタル遺品の特定とリストアップ
デジタル遺品には様々な物があります。まずはどんな種類のデータが残されているかを調べ、リストアップすることから始めましょう。
オンラインアカウントやファイルの特定
- オンラインアカウントの特定: 故人が事前にリストを作成していれば問題ないのですが、そうでない場合はオンラインアカウントの特定から始める必要があります。ウェブサイトの閲覧履歴やパソコン・スマートフォンに保存されているメモ、メールの受信フォルダなどから、故人が利用していたオンラインサービスを探してみましょう。
- デジタルファイルの特定: パソコンやスマートフォンに保存されている写真、動画、音声などのデータを探しましょう。故人を思い返せる貴重な記録です。
デジタル遺品リストの作成
効率よく整理を進めるためにリストを作成しましょう。見落としも防げます。以下のポイントを参考にしてみてください。
- 種類ごとの分別: メールアドレス、サブスク、オンラインアカウント、ネット銀行などの種類ごとに分別しましょう。写真や動画は量が多い可能性もあるので、リストから外して別フォルダにまとめた方が見やすくなるでしょう。
- パスワードやアカウント名などの情報: それぞれのサービスのアカウント名やパスワードを分かる範囲でまとめましょう。退会時の連絡先や方法が分かっている場合、備考として記載しておくと後が楽になります。
- 対応の優先順位: 速やかな解約が必要な物と後回しにしてもいいものがあると思います。例えば相続にも関わるネット銀行や、料金の発生するサブスク契約は早めに解約手続きをする必要があります。優先順位の高いものから対応し、終わった物は印を付けるなどして見返した時に分かりやすいように管理しましょう。
◆オンラインアカウントの閉鎖
ソーシャルメディアサービス(SNS)を初めとした様々なオンラインサービスが存在します。これらのアカウントも退会などの手続きをする必要があります。
SNSアカウントの処理
特定できたSNSアカウントは削除の申請を行いましょう。個人との関係性を示せる書類等の提出が必要になる場合が多いです。SNSによっては追悼アカウントへの切り替えが可能なものもあるので調べてみてください。
サブスクサービスの停止
故人が利用していたサブスクサービスが特定できたら速やかに退会手続きを行いましょう。パスワードなどが分からず退会申請ができない場合はカスタマーサポートに問い合わせをしてください。注意点として、クラウドサービスなどの写真や動画を保存のためのサブスク契約のばあい、アカウントを停止してしまうと保存していたデータも消えてしまいます。必要な情報は取り出した上で申請しましょう。
◆写真や連絡先の整理
故人の写真や連絡先といったデータは個人情報が含まれているため、しっかり整理と管理を行う必要があります。整理したデータは必要に応じて活用しましょう。
写真や動画の整理
- 写真や動画の整理: 故人の残した写真や動画は膨大な量である可能性もあります。全て保管しておくと見返すのも大変で、ストレージも消費してしまうので、不要なデータは削除しましょう。残しておく写真や動画は、イベントや年度ごとにフォルダ分けして整理すると後で見やすくなります。
- 思い出の共有: 整理した写真や動画は家族や友人に共有しましょう。印刷して渡すのもいいですが、SNSなどのオンラインサービスを活用することで、遠方の家族への共有も容易になり、量が多くても手間があまりかからずおすすめです。
連絡先の整理
スマートフォンやe-mailアカウントに保管されている連絡先も整理しましょう。何かあった時のために印刷やメモを残しておくと良いです。個人情報が含まれるため、保管時は注意して下さい。頻繁に連絡を取っているが訃報を知らない相手がいる場合、一報入れておくと安心です。
◆専門業者の活用
機械に詳しくなかったり、パスワードが分からず困ったりする場合も多いと思います。そんな時はデジタル遺品整理を手助けしてくれる業者を活用しましょう。
専門業者へ依頼するメリット
- 負担の軽減: デジタル遺品の整理は、肉体的負担は少ないですが、時間と手間がかかるものが多いです。外注することで、自身の負担を大幅に軽減できます。
- 専門的な対応: デジタル遺品には個人情報が含まれている場合が多く、データは慎重に取り扱わなければなりません。専門的な経験や知識を持っているため、安全に整理してもらえます。自身では困難な作業でもスムーズに行ってもらうことができるでしょう。
依頼可能な内容例
- パスワードの解除: スマートフォンやパソコンのロック解除してもらえます。
- データの移行や整理: 別の機器へのデータ移行を安全に行ってもらえます。また、業者によってはデータを必要なものと不要なものに分類してくれるサービスを提供しています。
- デジタル機器の処分や初期化: 個人情報が含まれるデジタル機器を手放す際は初期化が必要です。業者に依頼することで安全に初期化をしてもらえます。また、機器の処分を請け負っている業者もあります。
◆まとめ: デジタル遺品整理のポイント
遺品の特定
デジタル遺品は探さないと見つからないものです。まずは遺品の特定から始めましょう。故人の残したスマートフォンやパソコンといったデジタル機器を抜け漏れが無いように探してみてください。
優先順位を付けて対応
写真の整理など時間がかかるものもあり、つい対応が遅れてしまうのがデジタル遺品整理です。しかし、サブスクの解約やネット銀行の手続きなど早急に対応が必要なものもあります。優先順位を付け、優先度が高いものは家族で手分けして手続きを進めましょう。
専門業者へ依頼
故人が生前に情報を整理してくれている場合は問題ないですが、そもそもスマートフォンやパソコンのパスワードが分からないなどの理由で個人での対応が難しいこともあります。そういった場合は専門業者への依頼が確実です。機械の故障やデータの破損を防ぐことができます。
見落としがちなデジタル遺品。放置してしまうと様々な問題を引き起こす可能性もあります。リストアップし適切な対応を取りましょう。
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