高齢の親が住みやすい家とは?改善ポイントをご紹介!
人は歳を取ると身体機能が低下していきます。これまで当たり前にできていた、日常生活の動作でも負担に感じてしまいます。高齢の親が暮らす家は、快適に暮らせるように整備してあげると負担を軽減することが出来ます。この記事では、高齢の親が住みやすい家にするための改善ポイントを紹介します。
◆高齢者にとって住みやすい家の重要性
転倒による怪我の防止
高齢者は運動機能の低下により、ちょっとしたきっかけで転倒することが多いです。転倒の多くは自宅で起こっており、一度の転倒が取り返しのつかない大きな怪我に繋がることもあります。自宅を整備し、転倒リスクを下げる事は怪我の予防に繋がります。
負担の軽減
住み始めてから長い年月の経った家は、家電や住宅設備も古くなっています。体力の衰えた高齢者にとって、古い設備では負担がかかる作業も多いです。新しい物や高齢者に適した物へ入れ替えることで体への負担を軽減できます。
気持ちよい生活
高齢者は自宅で過ごす時間が長いです。快適な自宅で過ごすことが出来れば、日々の暮らしは潤い、活力が湧いてくるでしょう。
◆安全な居住空間の構築
身体機能の衰えた高齢者は、住み慣れた家でも怪我をする可能性があります。バリアフリー化を行い転倒による怪我のリスクを下げましょう。
バリアフリー化
- 段差の解消: 転倒しやすい場所として一番に考えられるのが段差です。階段などの分かりやすい段差はもちろんですが、掃き出し窓や部屋の間にある小さな段差でも躓いてしまうリスクがあります。そういった段差は小さなスロープを付けるなどして改修可能です。
- 滑りやすさの対策: キッチンや風呂場などの水回りは滑りやすく転倒しやすいです。滑りにくい素材の床材に変更したり、滑り止めマットを敷いたりしましょう。
- 手摺りの設置: 玄関やベッド周りなど、しゃがんだり起きたりする動作が多い場所には体を支えられるように手摺りを設置しましょう。
適切な照明の設置
加齢に伴い視力は低下していきます。室内が暗いと良く見えずに物にぶつかる可能性があります。室内全体を明るく保てるように、照明の種類や設置場所を見直しましょう。また、夜中にトイレや水分補給のために移動することも考え、廊下はセンサーで自動点灯する照明を取り入れることもおすすめです。
◆バスルームとトイレの改善
日常生活の中で、座ったり立ち上がったりと動作が多い場所として風呂場やトイレがあります。風呂場やトイレは掃除する際も腰に負担がかかりやすい場所です。高齢者にも使いやすいように改善や入れ替えを行いましょう。
バスルームの安全対策
- 転倒の防止: 風呂場は水と泡が合わさって滑りやすい環境です。浴室の床は滑りにくい素材に変えるか滑り止めマットを敷き、手すりを設置して、入浴時の安定感を高めましょう。
- 掃除のしやすさ: 風呂は皮脂汚れやカビが発生しやすく、ある程度の頻度で掃除が必要です。バスタブや床を掃除する作業は腰に負担が掛かり、高齢者には辛いものです。柄の長いブラシを使い腰に負担をかけない方法や、バスタブや床の素材を汚れが付きにくいものに変えることで掃除の負担を減らせます。
- ヒートショックの対策: ヒートショックとは、急激に温度が変わることで血圧が変動する現象のことです。酷い場合は脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすこともあります。風呂場や脱衣所に冷暖房設備を取り入れ、特に冬場は室内での急激な寒暖差が起こらないようにしましょう。
トイレの利便性向上
- 使いやすさ: 高さ調節可能な便座に変えることで、立ち座りの際の膝への負担を軽減できます。また、風呂場同様手すりも設置しましょう。ウォシュレット機能付きの場合は、文字が見やすく分かりやすい機能の物を選ぶと良いでしょう。
- 掃除のしやすさ: トイレは汚れやすく掃除も高頻度で行わなければなりません。トレイ掃除も腰への負担が掛かりやすいです。近年は自動お掃除機能付きの便座なども販売されているので、導入を検討してみて下さい。
◆住宅設備や家電の更新
古い住宅では、キッチンなどの備え付けの設備や、家電も古くなっている可能性があります。住宅設備や家電はどんどん便利な物が売り出されており、うまく活用することで家事の負担を大幅に減らすことも可能です。
キッチン等や洗面台の備え付け設備
- キッチン: 古いキッチンでは開き扉の収納が殆どですが、新しいものはスライド式の収納を備えている場合が多いです。これにより物を取り出す際の負担を軽減することが出来ます。また、コンロをガスからIHに変更することで、火の消し忘れや燃え移りといった火事のリスクを大きく低下させることが出来ます。
- 洗面台: 洗面台は手や顔を洗ったり、身支度を整えたりするために欠かせない設備です。歳を取ると顔を洗う際にかがむ動作が辛くなる場合も多いです。洗面台の高さを上げることで使いやすくなります。また、洗面ボウルの足元部分を無くすことで、車いすになった場合でも使うことが出来るので交換する場合は検討してみて下さい。
便利家電の導入
- 食洗器: 毎日の食器洗いは手間がかかります。食洗器の導入を検討してみましょう。システムキッチンに組み込むタイプ以外にも、後付けでシンクの横に置けるものもあります。
- お掃除ロボット: 自動で床を掃除してくれるお掃除ロボットは非常に便利です。新しいものであれば、床を水拭きしてくれる機能を持つものもあります。スケジュールを設定すると、自動で掃除を開始してくれる機能もあり、常に清潔な室内を保てます。
- 洗濯機: 洗濯をして干すという動作は、腕が上がりにくい高齢者には負担が大きく、濡れた思い衣類を運ぶのも大変です。洗濯から乾燥まで一貫して行うドラム式洗濯乾燥機の導入を検討しましょう。洗った後干し忘れるということも防げます。
◆物の整理整頓
快適で過ごしやすい家作りのためには整理整頓は欠かせません。要らない物は処分し、室内を整えましょう。
不用品の処分
長い年月を過ごしてきた家には、多くの不用品が眠っている可能性が高いです。もう着ない服、使わない食器類、壊れた家電など不用品を洗い出して処分しましょう。不用品処分は高齢者のみで行うのは骨が折れるため、子供世帯がサポートして進めましょう。
収納のポイント
- 収納スペースの最適化: 高すぎたり低すぎたりする収納場所は、高齢者にとって使いにくいです。よく使う物ほど、無理せず出し入れできる高さの収納に入れましょう。
- ラベリング: 認知機能の低下により物忘れしやすくなるため、日用品を保管している場所はラベリングを行いましょう。探し物がすぐ見つかり、ホームヘルパーなどのサポートを受ける場合も役に立ちます。
室内空間や動線の確保
- 家具の配置: 家具には大きな物も多く、置き場所によっては使い勝手が悪かったり、動線の妨げになってしまったります。実際に動いてみて、問題なく使える配置にしましょう。
- 不要な障害物の除去: 床や階段に物を置いていると邪魔で、災害時には崩れて避難の妨げになる可能性もあります。収納を工夫し、床に物を置く状態を解消しましょう。
◆まとめ:高齢者にとっての理想的な住環境とは
安全に暮らせる室内
身体の自由が利きにくくなった高齢者にとって、安全に暮らせる住環境は重要です。バリアフリー化を行い、転倒による怪我のリスクを下げましょう。また、不用品を減らし、物を整理することで室内のスペースをしっかり確保でき、災害時も少し安心です。
生活の負担軽減
これまで難なくこなしていた家事も歳を取ると負担に感じる場面が増えます。古い設備は入れ替え、便利家電を導入することで負担を軽減することが出来ます。
高齢な親の安全な暮らしは、子供世帯にとっても安心できることです。親に合わせた住環境を整え、快適な暮らしを提供しましょう。
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