高齢者の日常生活には心配がつきものです。特に老親のみでの生活の場合、常に見守れるわけでもなく不安に感じる人も多いでしょう。何か手助けをしたいと思っても、どのようなサポートすれば親の助けになるか、分からない方もいると思います。この記事では、老親へのサポートについて紹介します。

◆高齢者が抱えている問題

高齢者は以下のような問題を抱えているケースが多いです。万が一のことが無いように子ども世帯がサポートすることは非常に重要です。

身体機能の低下

歳をとると体力や筋力が衰え、これまで当たり前にできていたことが困難になったり、ちょっとした動作で怪我をしてしまったりすることがあります。無理をしてしまうと、大きな怪我に繋がることもあり危険です。

判断能力の衰え

オレオレ詐欺などで、高齢者が高額の振り込み詐欺にあうニュースを耳にしたことがあると思います。加齢により判断能力が低下した高齢者は詐欺の対象になりやすいです。詐欺により貯金をだまし取られ、生活が立ちいかなくなる可能性もあります。

社会的孤立

仕事を引退した高齢者は、人との交流が減ることが多いです。人との接点が減ると孤独を感じやすいです。また、脳の活性化にも繋がる会話が減ることで、認知症のリスクも上がります。

◆日常生活の援助

毎日を快適に過ごすために、やるべきことは多岐に渡ります。若い時は当たり前のようにやっていたことでも、高齢なると苦労してしまうこともあります。ここでは、老親の生活においてサポートを検討した方が良い項目について紹介します。

日常生活のサポート

1. 家事: 日々の家事は多くのことをこなさなければならず、高齢者が全て自分で行うと結構な負担になります。料理や食材の買い出し、掃除など身体を使う作業も多いです。親に困っている点を確認し、必要に応じて、食材の宅配や、家事代行サービスを依頼しましょう。
2. 買い物: 高齢者が大きなものや重いものを購入し持ち帰るのは大変です。そういったものを購入する際は手伝いましょう。また、高齢者はオンラインでのショッピングに疎い場合もあるため、購入したくて困っていたらサポートをしてあげましょう。

経済面のサポート

1. 資産の管理: 前述の通り、高齢者は詐欺に遭いやすいです。また、認知症により、金融機関の口座の暗証番号が分からなくなってしまうと、口座を凍結され預金を使えない状態になる可能性があります。親と相談し、家族信託や後見人制度を利用することで対策できます。
2. 経済的支援: 貯金や年金だけでは生活が厳しい場合、経済的支援も検討しましょう。自身や家族に無理の無い範囲に収まるように気を付けましょう。必要に応じて支援制度も調べましょう。

◆健康管理のサポート

高齢になると様々な病気のリスクが上がりますが、一緒に暮らしていないとすぐに親の変化に気付くことができません。気付いた時には病気が進行してしまっている可能性もあります。ここでは老親の健康管理についてどんなサポートができるのか紹介します。

健康チェック

1. 健康診断: 定期的な健康診断は、元気に長生きするためには欠かせません。一目見ただけでは分からない病気に気付くことができ、早期に治療を始める事ができます。健康診断を受けているか確認し、受けてないようであれば予約してあげましょう。
2. 日々の健康チェック: 血圧や体重などを毎日チェックすることで、病気の予兆に気付きやすいです。離れて暮らしていても、測定機によってはオンラインで測定結果を知らせてくれる機能もあります。

医療機関への付き添い

親が医療機関を訪れる際、不安を感じているようであれば付き添いをしてあげましょう。特に病気を抱えている場合は一人だと心細いです。診断結果を一緒に聞き、何かサポートが必要であれば申し出ましょう。

◆精神的サポート

高齢者は、人との交流が減り孤独を感じていることが多く、特に家族と離れて暮らしている場合、更に寂しい気持ちを抱えています。日々を心地よく過ごせるように、感情に寄り添う努力をしましょう。

高齢者が抱える心理的問題

高齢者は、心の問題を抱えやすいです。例えば、昔は当たり前にできていたことがどんどんできなくなることによる不安感や、人との繋がりが減ることによる孤独感を覚える人が多いです。こういった感情はストレス源となり、体調不良の原因や、酷い場合はうつ病に繋がることもあります。

コミュニケーションと感情の共有

1. 積極的なコミュニケーション: 一緒に暮らしていなくともコミュニケーションは可能です。定期的に時間を取って電話し、日々の出来事や思い出話、相談事など様々な話をしましょう。家族との他愛ない話はストレス軽減に繋がります。
2. 感情の共有: 照れくさいかもしれませんが、親を心配していて、困ったときは頼ってほしいという気持ちを素直に伝えましょう。親の心の支えになるはずです。

◆居住環境の整備

仕事を引退した高齢者は自宅で過ごす時間が長いです。過ごす時間が長いからこそ、快適で安全な住まいを整えてあげましょう。

自宅の整備

1. バリアフリー化: 高齢者の転倒の多くは自宅で起こっています。段差の解消や手摺の設置を行い、滑りやすい場所は滑り止めマットを敷くなどの対策をしましょう。
2. 生活の利便性: 毎日を快適に過ごすために、家電や設備を見直しましょう。お掃除ロボットなどの便利な家電を導入したり、使いやすいお風呂にリフォームしたりなど、親の意見を聞き、過ごしやすい住まいを整えましょう。

移住の選択

1. 住み替えの提案: 親が現在暮らしている住まいが、高齢者が暮らすのに適しておらず、改修も難しい場合は移住を提案しましょう。エレベーターがあり、利便性の良い立地にあるマンションが人気です。高齢者向けとして売り出しているものもあるので興味がある場合は見学してみましょう。
2. 施設への移住: 介護が必要な場合、介護施設や老人ホームへの移住も考えられます。専門のスタッフによる介助を受ける事ができるため安心です。施設のサービス内容や口コミを調べ、施設を選びましょう。

同居の検討

1. 家族との同居: 親世帯のみでの生活が心配な場合、同居も一つの手です。毎日様子を確認できるため安心ですし、コミュニケーションも取りやすいです。生活費や家事の負担を分け合うことができ、子どもが小さい場合、子供の面倒を見てもらうこともできます。
2. 同居の際の注意点: 同居を検討する際は、自身が共に暮らす家族に相談しましょう。勝手に決めてしまってはいけません。また、親自身の気持ちも確認してください。一人で気ままに暮らしたいと思っている可能性もあります。

◆まとめ：老親へのサポートで大切なこと

高齢者についての理解

高齢者は色々な問題を抱えていることが多いです。加齢による身体の変化は避けることができません。困っていても遠慮して、自分から頼ることが出来ない場合もあります。いつでも頼ってほしいと伝え、困っていそうなことを聞いてみましょう。

サポートの持続性とバランス

老親へのサポートは一時的ではなく、持続的に行うことが大切です。定期的に様子を確認し、必要なサポートを行いましょう。また、自分自身の生活とのバランスを考えることも大切です。自身や家族との時間も持てるように工夫し、全員が幸せに生活できるように努力しましょう。

老親へのサポートは、感謝の気持ちと思いやりをもって行うことが大切です。親が元気に長生きできるように協力しましょう。