介護施設はどう選ぶ?ポイントをご紹介!
日本では高齢化が進んでおり、それに伴い介護が必要な人も増えています。親や自分自身に介護が必要となった際、どのように介護施設を選ぶべきか迷うと思います。介護施設は毎日を過ごす場所となるため、施設選びはとても大切です。この記事では介護施設の種類や選ぶ際のポイントについて紹介します。
◆介護施設の役割
介護施設は介護が必要な高齢者にとって、適切な環境やサービスを提供してもらえる場所です。施設に入ることで、入居者とその家族どちらも安心して日々を過ごすことができます。介護施設の持つ主な役割には以下のようなものがあります。
- 介護サービスの提供: 専門スタッフによる日常生活のサポートや医療的ケアを受けることができます。自立した生活を送ることが難しくなった人でも、適切なサポートがあるため安心して暮らすことができます。
- 社交的な環境の提供: 他の入居者との交流やイベントを通じて、人との繋がりを保つことができます。他人との交流は、脳の活性化に繋がり認知症の予防にも効果的です。
- 安全な生活空間の提供: 介護が必要な人も安全に暮らせる住環境が整っています。何かあった際もスタッフが対応可能なため、家族も安心です。
◆介護施設の種類
介護施設は大きく公的なものと民間のものの二つに分類されます。それぞれについて具体的にどんな施設があるのか紹介します。
公的介護施設の種類と特徴
国が運営を行っているタイプの介護施設で、大きなメリットとして費用が安く抑えられる点があります。しかし、人気が高くすぐ入れないという場合も多いです。
- ケアハウス: 軽費老人ホームの一つで、助成制度があるため経済的負担が軽く済みます。自宅での生活が困難な60歳以上の高齢者が入居可能で、食事や洗濯などのサービスを受けることができます。自立型と介護型があります。
- 特別養護老人ホーム: 要介護3以上の認定を受けている人が入ることができる施設です。多くの場所で看取りまで対応可能なため、最後の棲家として入居希望者が多い施設です。介護保険を活用することで費用が抑えられますが、人気が高く待機者も多いのが現状です。
- 介護老人保健施設: 主に退院後にリハビリなどが必要な要介護の高齢者の自宅復帰を目的とした施設です。特別養護老人ホーム同様に介護保険が適用されます。入居者は介護に加えて、医師のサポートも受けることができます。
- 介護医療院: 長期療養と生活サポートを目的とした施設で、要介護者の中でも、特に医療ケアが必要な人に特化しています。こちらも介護保険が適用される施設です。医師の配置が義務となっており医療設備も充実しています。
民間介護施設の種類と特徴
民間企業が運営を行っている施設で、生活の快適性に力を入れている点が特徴です。施設によってさまざまな特色があり、希望に沿った入居先を選ぶことができます。しかし、公的施設に比べて費用が高い傾向があります。
- 介護付き有料老人ホーム: 国から特定施設入居者生活介護の指定を受けている施設で、介護や生活サポートなどの日常的なサービスを入居者に合わせて提供しています。設備面やイベントなどのサービスが充実していることが魅力的で、看取り可能な施設も多いです。
- グループホーム: 認知症の人を対象とした施設です。認知症の進行を遅らせるため、専門スタッフ支援の元、10人以下程度で生活空間を共にし、入居者同士で家事分担をして共同生活を送ることができます。
- 住宅型有料老人ホーム: 介護が必要ない人から介護度が高い人まで対象が幅広い施設です。自分に合わせた介護サービスを受けることが出来ます。他の入居者と楽しく交流を図れるように、イベントやレクリエーションが充実しているという魅力があります。
- サービス付き高齢者向け住宅: バリアフリーが完備された高齢者用の住居で、介護施設という扱いではなく、住宅として扱われています。希望すれば介護サービスも受けられるため、将来介護が必要になった時にも安心です。介護度が高くても入居できる介護型と、自立した方向けの一般型があります。
◆介護施設選びのステップ
介護施設には様々な種類があります。どのようなサポートが受けられるのか、希望しているサービスはあるかなどの確認が必要です。日常を過ごすことになる場所であるため、選ぶ際には慎重に検討を行いましょう。
希望内容の整理
- 目的: まず、入居者の必要事項を明確にしましょう。介護・医療サービスが必要か、認知症サポートは必要かなど、目的に沿った施設を選ぶことが大切です。
- 希望: 長い時間を過ごすことになるので、本人の希望は大切です。欲しい設備やサービス、他の入居者との交流をしたいかなど、どのような生活を送りたいか明確にしましょう。
- 立地: 住み慣れた土地で暮らしたい、家族の近くが良い、自然豊かな場所に移住したいなど、アクセスも考えつつ希望を挙げましょう。
- 予算: 施設によってかかる費用は異なります。特に民間介護施設は費用が高くなる傾向にあります。予算に応じて、選択肢をピックアップしましょう。
施設情報の確認
- 情報収集: 条件に合いそうで気になる施設が見つかったら、情報を集めましょう。ホームページ情報や口コミなどを調べましょう。サービスの内容、設備、金額などをチェックします。
- 施設の見学: 可能であれば実際に施設を訪れて、自身の目で確認しましょう。見学の際には、食事、設備、入居者同士の交流環境などに注目してみましょう。スタッフは信頼できそうか、施設の雰囲気は合ってそうかを確認することで、安心して入居を迎えることが出来ます。
◆入居条件の確認
介護施設は施設の種類や、運営する事業所によって入居条件が異なります。入居の対象となる条件は何か、それに該当しているかの確認を行いましょう。
入居できる介護度
各介護施設には受け入れ可能な介護度の基準があります。施設によっては軽度から重度までの幅広い方に対応している場合もありますが、誰でも入ることが出来る施設ばかりではありません。自身や家族の介護度に合った施設を選びましょう。
他地域からの入居可否
一部の施設は、その施設がある自治体以外からの入居を受け付けていない場合があります。受け入れ可能条件を事前にしっかり確認しましょう。
支払い能力
介護施設では入居前に必ず、収入を含めた資産の確認を行います。無理せず収入に見合った施設を選ばないと、入居前の審査で落ちてしまう可能性もあります。
◆施設サービスの確認
施設を選ぶ際には、どのようなサービスを提供しているか確認することが大切です。毎日の生活を送る場所となるので、なるべく希望に沿ったサービスがある施設を選びましょう。
設備内容
施設によって設備は様々です。フィットネスジムが併設されていたり、家庭菜園を楽しめたりするような施設もあります。実際に生活することを考え、選ぶ際の指標の一つにしましょう。
食事サービスの品質
食事は日々の楽しみの一つです。施設の食事の質やバリエーションを確認しましょう。可能であれば試食をしてみて、自身や入居者が満足できるかをチェックすることもおすすめします。
レクリエーションやイベント
どのようなイベントやレクリエーションが開催されているかを確認しましょう。季節毎のイベントは生活に彩りを与えてくれます。趣味や興味に合っているか、楽しめそうかなど考えてみましょう。
◆まとめ:適切な介護施設選びのために
総合的な比較と検討
ひとえに介護施設といっても、多くの種類があり、その中でも施設によってさまざまな特色があります。必要となるサービスや望む設備を挙げ、希望がかなえられる施設を調べて比較検討しましょう。
家族とのコミュニケーション
介護施設を選ぶ上で、家族との話し合いは欠かせません。入居者とその家族の両方が納得して安心できる施設を選びましょう。入居後も家族間でのコミュニケーションを続けられるような形を目指しましょう。
介護施設は入居者及びその家族の負担を大きく軽減してくれるものです。入居者に合った介護施設を選び、毎日の生活を安心して楽しく過ごしましょう。
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