老後は第二の人生です。新たな人生をどこで送るか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。今住んでいる自宅に住み続ける、新たに利便性の良い立地のマンションを契約する、子供世帯と同居する、高齢者向けの住宅へ引っ越すなどの選択肢があります。この記事では、住んでいた土地からの移住を伴う、高齢者住宅への入居に焦点を当て、詳しく説明します。

◆高齢者住宅とは？

　高齢者住宅とは、高齢者の暮らしやすさに配慮した住宅のことです。決まった定義はないのですが、バリアフリーへの配慮や介護サービスがあるものが多いです。民間施設と公的施設があります。以下にそれぞれの例をいくつか紹介します。

民間の高齢者住宅

　高齢者が快適に暮らせるようなに力を入れているところが特徴です。

1. サービス付き高齢者住宅: 高齢者でも安全に暮らせる配慮がされた住宅に、生活サービスを付帯した施設です。自立した方に向けた一般型と、介護ケアを必要とする方に向けた介護型の2種類があります。バリアフリー化や医療・介護系の有資格者の常駐などが義務付けられています。
2. 高齢者向け分譲マンション: 高齢者でも安全に暮らせるように配慮されている分譲マンションです。施設内にフィットネスジムやレストランなどを備えていることもあり、高齢者が楽しく快適に暮らせる魅力があります。

公的な高齢者向け施設

　低コストで利用できる点が魅力ですが、入居まで時間がかかることが多いです。

1. 特別養護老人ホーム: 公的に運営されているため低コストで入居できる施設です。介護が必要な方に対して、食事、入浴、排泄などの生活サポートを行います。需要が高いため、入居までに待ち時間が発生することがあります。
2. 介護老人保健施設: 介護老人保健施設は、高齢者の方々が介護、リハビリ、認知症のケアなど、看護師や医師による医療的なサポートを受けながら暮らすことができる施設です。

◆高齢者住宅へ入居するメリット

　高齢者住宅への入居には様々なメリットがあります。ここではいくつか例を挙げるので参考にしてみてください。

セカンドライフの始まりとしての移住

老後は人生の第二ステージです。移住することで、心機一転新たな気持ちでスタートを切ることができるでしょう。定年や早期退職などをきっかけに、新しい土地での生活を始めることで、長年の希望を実現できるチャンスです。

新しい趣味やつながりが生まれる

住む場所を変えることで、周りの環境や人々との交流関係が変わります。移住先の文化に触れる、自然豊かな地域で農業を始める、アウトドアを楽しむなど、新たな趣味やつながりが生まれることがあります。新しい刺激は心を若く保つために非常に大切です。

地方移住によるメリット

地方に移住した場合は、都会に比べて住宅費や食費などが低いため、生活コストを抑えることができます。また、都会から離れた落ち着いた地域を選ぶことで、都会の騒がしさから離れ、交通ラッシュや騒音の少ない地域で落ち着いた暮らしを送ることができます。

サポートがあって安心

今は体が元気で一人で問題なく暮らせていても、今後ずっとそうとは限りません。もし生活に介助が必要になった場合、サポートが受けられる高齢者住宅に移住しておけば安心です。

◆高齢者住宅の場所選び

いざ移住すると決めても、どんな場所に移住するかなかなか決めるのは難しいかもしれません。一度移住してしまうと、気軽に引っ越すのも資金面でも体力面でも厳しいです。移住先によってそれぞれ特徴があるため、以下を参考に自分にあった移住先を考えてみましょう。

高齢者移住先の選び方

自身のライフスタイル、希望、資金に合った高齢者住宅への移住先を選ぶことが大切です。以下のポイントを考慮しながら、選びましょう。

1. 公共交通機関の利便性 :移住先の公共交通機関へのアクセスはしっかり確認しておきましょう。バスや電車などの交通手段を利用しやすい場所を選ぶことで、外出がスムーズに行えます。
2. 医療機関へのアクセス: 近隣に病院や診療所があるかどうかを確認しましょう。高齢者にとって健康管理は非常に大切なので、医療サービスが受けやすい場所を選びましょう。
3. 余暇の過ごし方と生活コスト: 趣味に必要な場所、娯楽施設、公園などが近くにあるかを調べましょう。また、生活費や住宅費用も重要なポイントなので、予算に合った場所を選びましょう。

移住場所の選択肢

1. 地方での田舎暮らし: 自然豊かな環境での暮らしを希望する人に向いています。野菜や海産物など新鮮な食材が身近にあふれています。自分で農作物を育ててみるのも楽しいかもしれません。また、都会に比べると田舎は食材費や住宅費用が抑えられる可能性が高いです。浮いたお金で、新たな趣味を始めることも可能です。
2. 利便性の高い都会の駅近: 駅近のメリットは、公共交通機関の充実、買い物や医療施設へのアクセスの良さがあります。人が多く、施設も充実していて、お買い物が好きな方は都会の駅近マンションが向いているかもしれません。
3. 故郷にUターン: 故郷で再び暮らしたい方もいるでしょう。懐かしい場所や人々と再び繋がりを持つことができます。地域でのボランティア活動などに参加することで、地元に貢献できやりがいのある生活を送れるかもしれません。
4. 海外移住の選択: 海外での新たな生活を求める方に向いています。文化の異なる地域での新たなスタートは、第二の人生にもぴったりかもしれません。刺激的な日々を過ごせるでしょう。

◆高齢者住宅への移住の準備

　高齢者住宅への移住の検討は早めに進めておいた方が良いです。自分の老後の希望を挙げ、必要な準備を進めておきましょう。

優先順位を付ける

老後生活を送る上で、自分にはどのような物、サービスが必要か、何がしたいか、どこに住みたいかなどを挙げ、優先順位を決めましょう。資金と良いタイミングに恵まれれば全てを叶えた移住先が見つかるかもしれませんが、そうとは限りません。これだけは外せないと思うことを決めておきましょう。

資金計画と生活費の見積もり

高齢者住宅への移住には、適切な資金計画が必要です。住宅の購入や家賃、引っ越し費用、生活費などを考慮し、予算を立てましょう。希望の高齢者住宅がある場合は早めに見積もりを取るなどして具体的な資金計画を練っておきましょう。

老後資金の確保

高齢者住宅への移住、その後の生活を送る上では資金が必要です。早めの段階で貯蓄をしておきましょう。必要に応じて投資などにより資金を増やしておいた方が安心です。

荷物の整理

移住に備えて荷物の整理を進めましょう。特に物が多い人は、すべての荷物を移住先に持っていくのは難しいため早めに手を付けましょう。

◆まとめ：高齢者住宅移住の成功へのポイント

移住先の選定で考慮すべきポイント

公共交通機関や医療施設へのアクセスだけでなく、周辺環境や気候、安全性なども考慮しましょう。自身のライフスタイルに合った場所を選ぶことが大切です。

日々の生活の充実

移住先での生活を充実させるために、趣味の集まりや地域活動に参加することをおすすめします。地域のコミュニティ、ボランティア活動などに参加して、新たな人々と交流し、刺激のある日々を送りましょう。

安心して移住をするためのアドバイス

移住先の住宅やサービスを詳しく調査し、情報源は信頼あるものを活用しましょう。また、必要に応じて家族にもアドバイスを求め、不安や疑問を共有することで安心感を得られます。

老後は新たな人生のスタートです。慎重に計画を立て、快適で幸せな生活を送りましょう。