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親が住まなくなった家はどうする?管理方法をご紹介!

 親が高齢となり、自身の家での生活が難しくなった場合、住みやすいマンションなどに引っ越したり、老人ホームや介護施設へ入居したりして、家から離れてしまう可能性があります。その場合、残された家の管理を親自身が行うことは難しく、子ども世帯の手助けが必要になります。この記事では、親の家の管理方法について解説します。

 

 

◆親の家の管理の重要性

家の維持と管理の必要性

親の家は、長い年月の間生活を営んでいた場所であり、大切な思い出や多くの資産が残されています。適切な管理を行い、思い出や資産をしっかりと守りましょう。定期的な管理を怠ると、建物や設備の劣化や、空き巣などのリスクも高まります。

 

長期間家を空ける場合のリスク

  1. 防犯対策不足: 長期間人の気配のない家は不法侵入や盗難の標的になりやすいです。
  2. 設備の劣化: 水道や電気などの設備は長期間使用しないと劣化が進みます。
  3. 周辺への影響: 空き家が放置されると、老朽化や草木が荒れることによる景観の悪化、不審者が住み着くリスクなど、周囲の環境にも悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

◆親の家の定期的なメンテナンス

 家は人が住んで居なくとも劣化は進むためメンテナンスが必要です。ここでは親の家が長期間空き家となる場合のメンテナンス方法をお伝えします。

 

こまめなメンテナンス

空き家によるリスクを減らすために、定期的に家を訪れることが大切です。親の家を訪れ、必要な修繕や清掃を行いましょう。

 

  1. 郵便物の回収: 新聞や郵便物の定期的な回収が必要です。回収しないと、ポストが溢れかえってしまい、重要な書類を見逃すことがあります。通うことが難しい場合は休止や転送届を提出しましょう。
  2. 通水を行う: 家に長期間住んで居ない場合でも水道契約はしておいた方が良いです。月に一回程度通水を行いましょう。通水を行わない場合、水道管の破損や悪臭、害虫の発生に繋がることがあります。
  3. 風通しを行う: 月に一回程度風通しを行い、空気を入れ替えましょう。空気の入れ替えを行わないと、カビやシロアリの発生リスクが高まり、家の老朽化が進みやすくなってしまいます。

 

大規模な修繕

 定期的に家の点検を行い、不具合や傷みを早めに発見しましょう。必要な箇所は修繕を行い長持ちさせましょう。ここでは大規模な修繕や対策が必要になる例を二つ挙げます。

 

  1. 外壁と屋根: 住宅は、定期的に外壁や屋根の塗装が必要となります。これは居住していない家も例外ではありません。塗装の頻度は築年数や壁材・屋根材によって異なるため、家の情報をしっかり把握した上で必要な修繕を行いましょう。長期間塗装を行わない場合、雨漏りのリスクなどが大幅に上がります。
  2. シロアリ対策: 木造の家の場合、シロアリ対策が必要です。目安としては五年に一度の予防が必要です。シロアリ被害にあってしまうと、住宅の構造耐力に影響を及ぼす可能性があり危険です。

 

 

◆親の家の防犯対策とセキュリティシステム

 長期間人の気配がない家は、空き巣などの標的になりやすいです。防犯グッズやホームセキュリティを活用し、適切な防犯対策を行いましょう。

 

防犯対策グッズ

  1. セキュリティカメラとセンサー: セキュリティカメラやセンサーを設置することで不法侵入のリスクを軽減できます。最近のものはスマートフォンと連携し、遠隔からの確認もできるため、万が一侵入があった場合もすぐに把握できます。
  2. 防犯灯: 玄関など、人が入りやすい場所に人感式のライトを設置すると不審者を寄せ付けない効果があります。

 

ホームセキュリティの活用

 ホームセキュリティとは、侵入などの異常を感知し、警備会社に自動通報され、必要に応じて警備員が対応してくれるシステムです。

 

  1. セキュリティ会社への相談: セキュリティ会社に相談して、家に適したセキュリティシステムを選びましょう。アラームシステム、監視カメラ、センサーなどがあります。
  2. 設置場所の選定: センサーやカメラの設置場所は慎重に選びましょう。玄関、窓、庭など、侵入が考えられる場所に設置することが重要です。

 

 

◆家を賃貸にする選択肢

 家に長期間誰も住まないことが分かっている場合、賃貸物件として貸し出すのも一つの手です。

 

賃貸への転換とそのメリット

  1. 家賃収入が得られる: 家を賃貸に出すことで、一定の資金を得ることができます。不動産投資は比較的安定していて、ある程度の利回りが期待できる投資方法です。
  2. 再び住むことが可能: 売却すると住むことができなくなりますが、賃貸に出せば再び住むこともができます。
  3. インフレ対策になる: 不動産の価値は物価とともに上がる傾向があり、インフレ対策にもなります。

 

賃貸管理のポイントと注意点

  1. 自主管理: 自分で賃貸物件を管理する方法です。委託料などがかかりませんが、入出金管理、修繕、入居者募集、賃貸借契約などを自ら行う必要があります。
  2. 管理委託: 管理会社に管理を委託する方法です。委託料はかかりますが、専門の業者が対応してくれるためトラブルを回避しやすいです。特に高齢の方や初心者の方に好まれます。
  3. サブリース: サブリース会社が借り受け、入居者に転貸する方法です。負担を大幅に軽減できますが、手数料は高額となる傾向があります。

 

 

◆親の家の売却を検討する場合

 家に今後誰も住む予定がなく、貸し出すのも手間という場合は売却を検討しましょう。思い入れのある家を売却することは悲しいかもしれませんが、売却により得られるメリットも大きいです。売却をする場合は専門家に相談をして進めましょう。

 

家を売却するメリット

  1. 資金が得られる: 売却によってまとまった資金を得ることができます。得られた資金は親の老後資金の足しにすることができます。
  2. 管理の手間がなくなる: 空き家の維持や管理の手間を省けます。親の家が遠方の場合、管理自体が難しいので、使ってくれる人のもとに渡ることで、家も喜ぶかもしれません。
  3. 固定資産税が不要: 土地と家には所有しているだけで固定資産税がかかります。売却することで節税になります。

 

注意点

  1. 親の意思: 売却を検討する際は親の意思をしっかり確認しましょう。子ども以上に親にとって家は愛着があるものです。勝手に話を進めず、親の気持ちを尊重しましょう。
  2. 残留物の確認: 引き渡し前には残留物の中に必要なものがないかしっかりと確認しましょう。後から返してもらおうと思ってもトラブルに発展する可能性があります。

 

 

◆相続や法的な手続き

 家を所有している親が亡くなった際、相続が必要になります。土地や家屋は大きな財産となるため、トラブルを避けるためにも早めに確認や対策を行っておきましょう。

 

土地や家屋の所有権の確認

 土地や家屋の所有権が誰にあるかをしっかり確認しておきましょう。家屋は親の所有だが土地は別の親族が所有しているということもあるので、必要に応じて相談し所有権を移すなどの対応をしましょう。売却や相続の際にトラブルになる可能性があるので早めに確認しておいた方が良いです。

 

相続対策

  1. 遺言書の作成: 遺言書があることで、遺産相続や分配をスムーズに進めることができます。遺言書を書いてほしいと伝えましょう。
  2. 相続税対策: 財産の評価額を最小限に抑えるための対策を事前に検討しましょう。

 

法定後見や家族信託の活用

  1. 法定後見制度: 認知症などにより判断能力に問題がある人の財産管理や法律行為などを行う制度で、家庭裁判所によって成年後見人等が選ばれます。
  2. 家族信託: 財産管理方法の一つで、不動産などの財産を家族に託し、管理や処分を任せることが出来るようになります。認知症や介護が必要な状態になってしまったとしても、子どもが親の代わりに託された財産の管理等をできるので安心です。

 

 

◆まとめ:親の家の管理と将来計画

長期的な家の管理計画

  1. 誰も住まない家はそのまま放置していいわけではありません。メンテナンスの頻度や方法を一覧化し、誰がどのように担当するかを家族間でしっかり話し合いましょう。
  2. 家の状態、立地、築年数などを考慮して、売却や賃貸、リフォームなど、残された家を将来どう活用するかを検討しましょう。

 

親の意見も尊重

親にとって家は子供以上に思い入れのあるものです。親の意向や希望を尊重しながら、将来の計画を共有し、家の管理や相続について話し合いましょう。

 

親の家の維持管理には、計画的な対策と定期的な点検が必要です。適切な対応をすることで思い出の詰まった家をきれいに保ちましょう。