家族の遺品整理はどうやって進める?手順をご紹介!
遺品整理は、故人との思い出を整理し、新たな一歩を踏み出すための大切な作業です。いざ遺品整理をするとなった時に、どのような手順で進め、何に気を付けたらいいか不安な人も多いと思います。この記事では、遺品整理を始める前に必要な準備とポイントについて紹介します。
◆遺品整理の重要性
遺品とは何か
- 遺品とは: 遺品とは、故人が亡くなった後に残された物品のことを指します。例えば、衣類、家具、書籍、写真、アクセサリーなどが挙げられます。金銭的価値のあるものとないものが含まれます。
- 遺産との違い: 遺産とは、故人の残した財産のことで、預金や土地などが含まれます。
遺品整理の目的と意義
- 気持ちの整理: 故人の思い出の品を振り返りつつ整理することで、心の整理の手助けにもなります。
- 故人の遺志の尊重: 故人の遺志を尊重し、大切にしていた品を次の世代に受け継ぐことができます。
- 新たな生活へ向けて: 残された家族の新たな生活を、すっきりした気持ちでスタートさせることが出来ます。
◆遺品整理の事前準備
故人の残したもの全てを片付けることは骨の折れる作業です。遺品整理を始める前に、事前準備をしっかり行い、スムーズに進められるようにしましょう。
故人の遺志を確認
遺言書に遺品の分配の希望がある場合、それを守らなければいけません。遺言書が存在するかどうかを確認し、あれば遺族や関係者に共有し、内容をリストアップしましょう。遺言書がない場合でも、故人の意志や希望について相続者同士で話し合い、できる限りそれを叶えられるようにしましょう。
相続者の希望
相続者同士での話し合いは遺品整理作業を円滑に進めるため重要です。しっかりとコミュニケーションを取り、計画を立てましょう。
- 全員の合意を取る: 遺品整理の参加者や、各自の相続したい遺品の希望などは相続者全員の合意を取りましょう。勝手に遺品整理を進めてしまうと、後々相続権を主張されトラブルに発展してしまうこともあります。
- スケジュールの作成: 参加者が決まったらスケジュールを立てましょう。遺品整理を行うタイミングは決まってはいないので、気持ちの整理が済んだら、全員の予定を調整しスケジュールを作成しましょう。ただ、遺品の中には貴金属などの相続税の課税対象となるものが含まれることもあるので、申告期日である10か月までには終わらせておきましょう。
- 担当箇所の振り分け: 日程が決まったら、誰がどこを担当するかを決めておきましょう。部屋ごとで分ける、仕分け、売却、廃棄などの段階ごとで分けるなどの方法があります。担当箇所が決まっていることで準備や当日もスムーズに進めることが出来ます。
貴重品や重要書類の確認
貴重品や重要書類があることが分かっている場合は特に注意して扱わなければなりません。これら遺産は相続に関わる可能性が高く、その場合遺産分配する必要が出てきます。
掃除道具などの用意
遺品整理をスムーズに行うためには、事前に必要な道具や梱包材を用意することが重要です。ごみ袋、手袋、マスク、掃除用具などを事前に準備しておきましょう。また、自治体のごみ処理場やごみ出しのルールについても調べておくと不用品の処分がスムーズに行えます。
◆遺品整理の進め方
遺品整理をする際、どこから手を付けていいか分からない方もいると思います。以下の手順を参考に進めましょう。
遺品の仕分け
遺品整理を進める際は仕分けから始めましょう。形見として持っておきたいもの、廃棄するものなどに分類していきます。財産価値がありそうなど判断に迷うものは一時置き場を作りそこに集めるようにするとスムーズです。
- 貴重品: 家の整理を進めていくと、貴金属や骨とう品などの財産的価値の高いものも出てくる可能性があります。そういった品は相続の対象となるため注意が必要です。また、土地関係の重要書類などが出てくることもあるので、見逃しが無いように引き出し内部などもしっかり整理しましょう。
- 形見: 故人の愛用していたものや、家族の思い出の品などは形見として分け合いましょう。財産的価値はなくとも、感情的価値の高い遺品は家族であればほしい場合も多いです。しっかりと話し合い、分配を決めましょう。
- 不用品: 壊れていて使えないものや、家族の誰も欲しいと名乗り出なかったものは不用品として仕分けましょう。次の項目で、不用品の分類について詳しく説明します。
不用品の処分
- 廃棄: 不用品の中でも、状態が悪いものや、壊れているものなどはごみとして処分しましょう。ごみは分別を行い、自治体の回収に出すか、量が多い場合はごみ処理場への持ち込みも検討しましょう。家族だけでのごみの処分が難しい場合は専門業者へ処分を依頼する方法もあります。
- 売却: 不用品の中でも状態の良い家具、家電などはリサイクルショップやフリーマーケットアプリを活用し売却しましょう。その際発生した売却益は相続に関係するため、注意が必要です。
- 寄付: まだ使える不用品の処分方法として、寄付という手段もあります。寄付団体やチャリティショップに連絡を取り、寄付の手続きを行いましょう。引き取ってもらう際はルールをしっかり確認し、引き渡しましょう。
家の清掃
遺品整理が終わったら、家の清掃を行いましょう。特に賃貸物件の場合は原状回復を行った上で退去しなければなりません。原状回復を怠った状態で退去してしまうと、高額な費用を請求される可能性もあります。
◆遺品整理の注意点
デジタル遺品も整理
デジタル遺品(メール、写真、オンラインアカウントなど)も整理する必要があります。パソコンやスマートフォンを処分する場合は、個人情報に繋がるデータを完全に消去しなければなりません。アカウントやパスワードが分からず整理が難しい場合は、専門業者に相談しましょう。
騒音対策
故人の部屋を片付ける際は大きな家具などを動かすことも多く、騒音が発生する可能性があります。特にアパートやマンションの場合、事前に近隣へその旨を伝えておき、早朝や夜の作業は避けましょう。
肉体的、精神的負担に注意
遺品整理は大量の物の整理をしつつ、故人との思い出を振り返る作業でもあり、肉体的、精神的負担を伴います。適度に休息を取り無理をしないようにしましょう。
◆遺品整理におけるトラブル回避策
相続権がある人全ての合意を取る
相続人の合意を取らず、勝手に処分を決めたり、形見として分けてしまったりするとトラブルに繋がります。自分には価値がないと思っていたものでも、実は高価なものだったということもありえます。
家族間での協力
遺品整理は負担の多い作業です。誰か一人に押し付けず協力しあうことが大切です。負担が偏ってしまうと不満が生まれ、家族の関係性にヒビが入ってしまうかもしれません。
遺品整理業者の活用
家族で集まって作業する時間が取れなかったり、体力的に作業が厳しかったりする場合は、遺品整理の専門業者に依頼する方法があります。専門的知識があるため、自分達だけでは処分方法が分からなかったことにもスムーズに対応してくれます。
◆まとめ:遺品整理を通じた家族の絆の強化
協力し段取りよく行う
遺品整理は時間も体力も消費する大変な作業です。遺族で協力し合って進めましょう。また、事前準備を行うことでスムーズに作業を行うことができるのでしっかり計画をしましょう。
故人との思い出を振り返る機会
遺品を整理する時間は、故人と過ごす最後の時間とも言えます。思い出を振り返りながら、心の整理も行いましょう。故人の愛用していた品などは家族で受け継ぎ大切にしましょう。
遺品整理は家族が亡くなった際に必ず必要になる作業です。故人の残したものを整理し、新たな気持ちで前に進みましょう。